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「ただいま〜」
「おかえり!」
配信を終えて出かけようとしていたら、
入学式に行っていたメンバーが帰ってきた。
「入学式、どうだった?」
「待ってる時に番号近い人たちと仲良くなった〜」
「早いなぁw」
「えー?w」
尚人と翔が話している。
あの2人は動画でいつもバチバチしてるけど
やっぱり仲が良い。
「慶一郎さん、ちょっと俺出かけてくるね」
「はーい、夕飯は?」
「あー…食べてくる!」
「りょーかい」
「由一、毎週どこ行ってんの?」
「んー?秘密ー」
帰ってきた皆と入れ違いに外へ出る。
こうして毎週土曜日の午後は外出する。
そしていつも同じ場所へと行く。
「もしもし、今家出ました」
『はいよ〜』
シェアハウスの下に、メンバーの自転車が6つ、止めてある。
その中から緑色の自転車を引っ張り出して荷台にリュックを置く。
「…急ご」
今日の午後から、雨が降る予報だった。
ある程度遠いはずなのにもう見慣れてしまったこの家。
赤っぽい煉瓦風の壁についたインターホンを鳴らす。
「こんにちは。」
『あい、鍵あいとるよ〜』
此処の鍵があいているのはいつもの事。
でも毎回、インターホンを鳴らしている。
「お邪魔しまーす…」
「お、ルイくん。えらい良い髪型しとるなぁ」
「…からかわないでください」
少し家を出るのが遅くなったから飛ばしてきて、髪が凄いことになっている。
ふるふると頭を振って髪を戻す。
…便利な髪質で良かった。
「んじゃ、よろしくなぁ」
「はーい」
そうだ、この人の紹介をしていなかった。
木更津 風雅(きさらづ ふうが)
26歳。
有名実況グループの「アイズ。」のリーダー、エイジ
ルイの事を可愛がっている。
孤児院にいた時から6人の事を知っている。
よろしくな、というのは俺のいつもの仕事。
家事が苦手な風雅さんの為に代わりに家事をする。
1週間あけただけでこんなに汚くなるなんて、風雅さんは普段何してるんだろう。
…実況か。
「…相変わらず、食材だけは置いてありますよね」
冷蔵庫の中には山のように食材が入っている。
俺が来る土曜日の前日、つまり金曜日に買い出しに行っているらしい。
「だって、食材がなかったら困るやろ?」
「そうですけどぉ…」
「俺、ルイくんの料理好きなんよなぁ〜」
「それは良かったですね…(苦笑」
1週間分の食事を作り置きして、ある程度部屋の掃除をする。
洗濯とかは自分でできるらしいから何も関わってない。
服だけは綺麗に置いてあるんだよなぁ…
…で。俺が此処に来る理由は。
「ルイくん、ちょっとおいで?」
「ッ!✨ はいッ!」
毎週の、この時間と、お金だ。