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「じゃ、今度は――“思ってることと反対のことを言っちゃう催眠”。スタート♪」
藤澤が指を鳴らす。
次の瞬間、大森と若井の目がぱちっと開き、スッと立ち上がる。
体は勝手に動き出し、最初のポーズは――
両腕バンザイで、腰だけぐねぐね回す謎のポーズ。
「……ぜんっぜん恥ずかしくない!!」
と叫ぶ若井。
(やめろやめろやめろやめろーーー!!!何してんだ俺ーー!!)
心の声は全力で否定。
続けて大森が叫ぶ。
「俺、こういうの超得意だし!!見ててっ!!」
そう言って――
今度は、片足をあげてピースをアゴに当てる「謎アイドルポーズ」。
(……藤澤、コレ絶対撮ってる。見せんなよ誰にも。誰にも!!)
藤澤は後ろで爆笑しながらスマホを構えていた。
「はい、最後のポーズいこうか~。これは二人で合わせて、せーのっ!」
三つ目のポーズは――
背中合わせで両手を上に伸ばし、顔は無理に変顔。
若井「あ~これ、快感!マジで最高~!」
(史上最悪の黒歴史誕生の瞬間だわ……やめてくれ……!)
大森「いや~、一生このままでいたいかも!」
(いやもうマジで限界、誰か止めてくれぇえぇ……!!)
パシャパシャパシャ。
「あははは!!はい、保存保存っと♪」
催眠が解ける気配は、まだない。