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月翳
114
月翳
31
5ihun@nrkr厨
13
四月三日
朝。
「……。」
私が起きるとすでに薄絹は光をこぼしている。
「…。朝、か」
昨日のアレはやばかった。
感覚が苦しくておかしくて、壊れてしまいそうだった。
…。壊れる?
なんだそれ、なんで、ここまで―…
思い出したくない。何も、関わりたくない。
触りたくない。
アイツのことなんて、何も、知りたく――ない。
私は、スマホを手に取った。
着信音がかかる。
「―もしもし?聞こえてますか」
**
「―で、なんで俺を呼び出したんだ、西海」
目の前に座る目つきの悪い男。
私の知り合いには目つきの悪い男しかいないのか?
「…、まあ、メニューでも選びません?」
ここは、いかにもという雰囲気のカフェであり、
私は彼をここに招き、せっかくだから、と理由をつけて。
彼の名は東漸勝。
「ああ、」
「でもお前が誘うなんて普通ないな。どうした?何かあったのか。」
腐れ縁だが一応仲は保ってある。
「…き――いえ、アイツの事で。」
今は名前を口にも出したくない。
思考から削除したい。
「ああ、アイツ、か」
私がアイツに執着しているのはよく知っている。
かつ、私がアイツに振り回されているのも。
「で?きt」
「やめてくださいっ、今、そいつの名前を出さないで…」
「……!…わ、悪かった。で、なんといえば」
「アイツでいいです。」
「分かった。…アイツと何があった?」
「こ、こく、はく、されて…」
「は?」
「それで―」
「いやいやいやいや、待て待て待て。なんだよ『告白された』って…俺の聞き間違えか?」
「大丈夫です。貴方のような脳でも耳は正常ですよ」
「誰が馬鹿だ誰が…。」
やっぱり、東漸といると落ち着くというか…
素でいられるというか…。
なんとなく、
温かい気がした―
「でも、なんで嫌いな奴の事で悩む必要がある?断っちまえばいいだろうが」
温かいって思ったのは気のせいだった。
「断れたら苦労してません!なんで私がアイツの言動一つでこんなに悩まないといけない!?」
「…お前は…多分、だけどよ」
すっとこっちを見た。
水色の瞳の視線が、私の目線と交差する。
「アイツの事―」
「本当は嫌いなんかじゃねえんじゃねえか?」
「ハァッッ!??!?!?!?」
「ありえない!!それは一番ありえません!!」
「……。し、静かにしろよ。」
な、なんなんだ、なんなんだよ…!
私って、アイツの事…どう思ってるんだ!?
コメント
1件
ん~、第4話読みました!「アイツ」に告白されるなんて、予想外すぎてドキドキしちゃいました。東漸との会話のテンポが良くて、特に「本当は嫌いなんかじゃねえんじゃねえか?」って核心突かれた時のパニックっぷり、思わず笑っちゃいました(笑)。でも、嫌いって言いながら心揺れてる感じがすごく伝わってきて…続きが気になります!