オタク部屋

佐久間は目黒と渡辺と岩本の4人のデートが楽しい。が、岩本は2人だけで出かけたいと思うようになる。

4人が嫌なんじゃなく、もっと佐久間を可愛がって愛してやりたいのだ。目黒たちにそれを伝える。

岩本ーどう思う？

渡辺ー喜ぶと思うけど？

目黒ー恥ずかしいとも、考えられる。

岩本ーそう、それ！

渡辺ー今更何が？

岩本ー2人だと、4人のときほど笑わないし、甘えないし。

目黒ーやっぱり、恥ずかしいと思うね。

岩本ー今度、2人で出かけようと思ってるんだけど。

渡辺ー行って来い、行って来い。

目黒ーでも、佐久間くんが恥ずかしいんだ？

岩本ーかなぁ、喜んでるけど、はしゃぐ感じじゃなくて、何て言うかなぁ・・。

渡辺ー嬉しさを噛み締めてるんだ？

岩本ーだといいけど。

目黒ーどこ行くの？

岩本ー館山、千葉の。

渡辺ー何かある？

岩本ー浜辺にある友人の別荘なんだ、海には入らないけど、散歩するのもいいかなと。

佐久間に告げると、恥ずかしいと言いながらも、嬉しい顔をしている。

岩本ーたまには、2人でもいいだろ？

佐久間ーん、いっぱい話したいことある。

岩本ーこの日、仕事終わったら、うちに来て？

佐久間ー分かった。

佐久間は待ち遠しい気持ちと、恥ずかしいという気持ちがある。

今まで、目黒と渡辺がいたことが、リラックスできる方法だったと思い知る。仕事が終わって岩本の家に向かう途中、何だか緊張している。

佐久間ー照？

合鍵で入って来たから、岩本がいるか、分からない。

静まり返った家。岩本はいないみたいだ。

佐久間はソファにコロリと横になって岩本を待っていた。

岩本ー大介？

佐久間ー・・。

岩本ー爆睡じゃん。

毛布をかけてやり、岩本は出かける準備をする。

コーヒーを飲んで、そろそろ出かけようと、佐久間を、起こす。

岩本ー大介？起きろ。

佐久間ー・・ん・・。

岩本ー行くぞ？

佐久間ーんっ・・起きた！

車に揺られて、また眠くなる佐久間だが、寝ると岩本に叱られる。

頑張って、館山まで起きていないといけない。

だが、今日の岩本は、眠かったら寝ていいからと言う。

岩本ーどうして黒に？

佐久間ーピンクだと目立つかと思って。

助手席の佐久間は髪を黒いスプレーで、色付けしている。確かにピンクだと，すぐ分かってしまう。

佐久間なりの気遣いだ。

館山に着いた。

お洒落な可愛い家。佐久間は、持ち主は女性だと思った。岩本に女性の知り合いがいたことが、軽くショックだった。でも、自分にもいる。岩本にいても、不思議じゃないけど、なんか嫌だった。

そういう思いを封じ込めて、家に入る。アニメオタクと分かる部屋。

岩本を振り返る。笑いながらRABの人たちに「佐久間がソロ曲で頑張った、誰かオタクの人の家に連れて行ってやりたい」で、紹介された家がこの館山。佐久間なら知ってる有名人の家だ。

佐久間ーすげ〜！何だよこの家！

岩本ー◯◯さんのオタク部屋らしい。

佐久間ーえっ！あの？

岩本ーRABの人を頼って借りた。◯◯さんって人、部屋に収まらないから、この家買ったらしい。

佐久間ー見てるだけでいい。すげ〜、すげ〜！

佐久間はしばらく戻って来ないだろう。岩本は、コーヒーを探し出し、ソファに座ってゆっくりしている。