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見るからに身なりの良い格好に王族と判断して私は膝をつき頭を下げた。
向こうが何か言うのを待っていると足音もなく近づいてくる。
足がすぐ目の前に見えると 「顔をあげろ」と 低く冷たい声でそう言われた。
恐る恐る顔をあげて男性を見上げる。
「お前がジョージ王子の婚約者か、聞いていたよりも地味だな。もっとケバケバしいのかと思っていた」
冷たい視線で値踏みされるように見下ろされる。長い指で顎を触られるとクイッと上を向かされた。
「知っているか? お前は国を傾ける悪女だ。お前のせいでコスリガ国は潰れるところだったんだぞ」
それは…私じゃない。
そう叫びたいが黙って目を伏せた。
「まぁいい。ロレッタと言ったな、お前は今日から私のモノになる、異論はないな」
「…はい…」
という事はこの方がフレッド王子と言うことかと改めて彼を見た。
ゲイルは彼がこの年で結婚もしてないので見た目が悪いと予想していたが実際の彼はスラッとが高く髪も少し荒々しいがその姿にあっている。レミリアなら喜んで飛びつきそうな感じだった。
しかしその容姿とは裏腹に目つきは鋭く彼に睨まれるも体が硬直する。
いくら見た目が良くても嫌われている相手といるのは心地よくない。
しかしここで私が反抗すれば援助の話はなくなってしまうだろう。
あの国にはいい思い出なんて無かったが罪もない民達が苦しむ事になる。どこにいても同じ我慢をするならここですればいい。
私は諦めるように頷いた。
「ふーん、もっと抵抗すると思っていたが…なんか話と違うな」
王子は顎を触りながら考えるように私を見つめている。
「申し訳ございませんが…私この国の事を何も聞かされておりません」
「ああ、そうか。私はこの国の王子のフレッド・キャンベルだ」
「キャンベル様…」
「フレッドでいい。ベッドの上でキャンベルと呼ばれるのは好きじゃないんだ」
「ベッドの上?」
私は何を言っているのかと首を傾げた。
「聞いていなかったのかロレッタ、君はこれから俺のものになるんだ」
フレッド王子はそういうと軽々と私を抱き上げてあの大きなベッドへと連れていった。
そしてそこにはドサッと落とすとおもむろに服を脱ぎ出した!
「な、何を!」
私は恥ずかしさから後ろを向いて顔を逸らした。
「何って…おいおい、コスリガ国のジョージ王子の婚約者は王子をその性技でたらしこんだと噂になってるぞ、そんな初物のようなわざとらしい反応なんてしなくてもいい」
そう言って笑う声とバサっと服を脱ぐ音がした。
振り返ることも出来ずに固まっているとツーっとパックリと開いた背中を指で触られる。
「ヒャッ!」
思わず声が漏れる。
「その反応…」
なんか言われるがパニックで何も考えられない、自慢じゃないがもちろん男性の経験なんて一度もない!
お付き合いだってまだ誰ともした事ないのだ、
王子婚約者に決まり性の授業は受けたがそれは書面状でだけであった。
あれよあれよという間に気がつけばフレッド王子に押し倒されていた。
「あ、ああの…王子…今日は初日ですし…その話など…」
「何を言う、初日だからこそこうやって肌で感じあい相性を確かめ合うのだろう?」
王子は慣れた様子で私の服を触るといつの間にか脱がされてしまっていた。
「あっ…」
下着姿を見られて顔が赤くなる、どこを隠せばいいのかわからずにとりあえず恥ずかしさのあまりに顔を隠した。
「なんだ…」
王子は困惑した様子で少し止まってくれた。
私はやはり自分の魅力の無さに諦めてくれたのかとほっとするがそれは勘違いだったようだ。
「なるほど…ジョージ王子を魅了しただけはある…」
顔を覆っていた手を退かしたすきにフレッド王子の整った顔が間近に迫り…そのまま私はファーストキスを奪われた。