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かんりにん「ええっと…アンソニー、でいいんだね?」
アンソニー「はい。その名前でお願いします」
かんりにん「じゃ、アンソニーくん。今日からよろしくね」
オレはこの支部の管理…いや、かんりにん?ってヤツと挨拶を交わした後、職員の控え室へと向かった。
まあ、ここら辺はめんどくさいから省略。かんりにんもこうがいいだろ?
数日をかけた育成——かんりにんがそう言ってた——とやらを一通り終わらせ、作業やL社への理解が深まったり、肉体的なことも成長した。
そこで、オレはダメ元でひとつ、かんりにんに要望を伝えた。
かんりにん「ええっと…そ、その…本気で言ってる…?てかおれの聞き間違いだったかもしんない…もういっ
アンソニー「静かなオーケストラさんの専属職員になりたいです。ご検討よろしくお願い致します」
かんりにん「静かなオーケストラって、あの静かなオーケストラだよ?!どのアブノマのことかわかって言ってるの?!あのAlephのアブノマだよ?!ア・レ・フ!!習ったでしょ?!しかもさん付けって…」
アンソニー「はい。承知しています。静かなオーケストラさんの専属職員にしてください」
かんりにん「…き、きみの意欲は充分伝わったよ…ただ、『あ!みすったー!』じゃ済まされないようなアブノマってことを…ゆめゆめ忘れないように…作業方法は把握してあるはずだよね?」
かんりにんは何らかの書類とにらめっこをしながら、棚からワンセットの装備をオレに差し出した。
かんりにん「はい。これ、静オケのE.G.O装備。おれ雰囲気から入るタイプの人だから
あ!あと!それウェザービーくんががんばって作業して稼いでくれたPEboxで抽出したやつだから!破損させたらただじゃおかないよ!」
あ、マジか。なんか通った。
…え?!通った?!とおった?!!??
アンソニー「あ゛り…ゲフンッ、ありがとうございます…」
オレは手の震えを必死に抑えながら装備を受け取った。
いや通った!!!マジかよ!!!えっ、こんなことある???かんりにんアホだな~~!!そのウェザービーとかいうガキに作業させとけばいいのにわざわざオレ一人に託すとか…!!!!うっひぃぃ…!!興奮してきたぁ…!!!
アンソニー「失礼しました」
…装備を抱き抱えながら管理人室を出たオレは、少し早足で自室へと戻った。
いや別に…なんか特殊な着替え方とかだったら困るし?一回試着してみただけ。
ベッド横に置かれた姿見を——
アンソニー「~~~っ!!!!」
は、破損させたらただじゃおかないだとかうんぬんかんぬん…言ってたよな…うん、一旦脱ごう…
アンソニー「うひっ、ぐふっ、ぬへへへへへ……」
あっやべ。声に出てないかな。まあ大丈夫か。
…ふぅ。ま、今着てもしょうがない。オレは丁寧にスーツをたたみ、若干朱く染まった顔を枕に埋めた。
明日がたのしみ。…だなんて思ってないけど!な!
かんりにんが言うに、今日はDAY■■らしい。
日付とかどうでもいいんだよ!早くオーケストラさんに会わせろ!!
かんりにん「あ、あー。あーーーーー。みんな聴こえてるー?大丈夫ー?
んじゃ、まずは…あ、そうだね。ジヨン、寄生樹に愛着作業。アダラは福祉チームのメインルームに移動しておいて。杉並が絶望の騎士に愛着作業。終わったら中央本部第二のメインルームに移動してね。あー、えっと…キャトルが——」
遅い。いつオレへの作業命令が来るというのだ。
かんりにん「あ!先にオフィサーの処理するからみんなちょっとどけてー!おいアンソニーお前どけっつってんだろ処刑するぞ!!!!」
オレが真っ先に作業を——って
アンソニー「っうお?!」
目の前でオフィサーという名のクソ雑魚無能職員が消された。跡形もなく。
いやこんなんする意味あるのかよ。早くオレをオーケストラさんの元に導けよアホんだら。
かんりにん「シャルロットはラ・ルナに本能作業!オノリオ蒼星の洞察作業!
アンソニーは静かなオーケストラに…とりあえず愛着作業!」
ふん、やっと指示が来たか。次もこんなペースだったら八つ裂きにして…
あ、ビジュいい。スタイルやば。流石オレのオーケストラさま…
アンソニー「あっ、愛着作業ですよね!オレ…絵本持ってきました!
絵本なんて子供が読むようなものかもしれませんが…実際、大人でも泣ける絵本って結構あるんですよ!
今回はオレのお気に入りのえほ…じゃなくて、子供でも大人でも楽しめるって…えっと…そうだな…話題の!ものを持ってきました!」
オレはオーケストラさんに絵本の内容を読み聞かせた。
…いやあ、やっぱこれいつ読んでも泣ける…
アンソニー「…そうして、町一番——いや、世界で一番の勇敢なヒーローとなった男の子は、世界中を飛び回って、様々な問題を解決しました。…あっ、もう作業の時間が終わってしまいました…!ちょうどピッタリですね!ありがとうございました!」
オレはオーケストラさんに深く頭を下げた後、オーケストラさんの部屋から退出した。
…計画通り…ッ!
本当は作業時間を確認して、作業時間丁度で絵本を読み終わるよう何度も練習したのだ。
フッ…これでオレもオーケストラさんに一歩お近づきになれただろう…
PEbox数は…22。
…あれ?普通これ多い方がいいよな?ま、大丈夫か!
またオレは長時間待たされ、やっとオーケストラさんの作業を行うことができた。今度は本能作業らしい。
アンソニー「え、えっと…オーケストラさん!今回は本能作業らしいので…オレ、頑張って料理してきました!どうぞ遠慮なく!」
オーケストラさんってどうやってごはん食べるんだろう。え、なんか見ても大丈夫かな、これ。
ちょ…目伏せておこう…
…ん?
気付いたらオレは収容室から追い出されていた。オレの手作り料理と共に。
PEbox数は…決して多いとは言えないな…
オレは床に落ちた皿を広い、メインルームへと戻った。
アンソニー「あーあ。結構自信あったのに」
ウェザービー「何がですか?」
アンソニー「うわっっっ?!!??んだよお前!!!なんでここにいンだよ!!!!!!」
ウェザービー「いやなんでって…!一応こっちの方が全っ然先輩ですからね?!
アンソニー「…」
最悪だ。どうしてこんなに——
かんりにん「行って!!Pale武器のみんな!!!」
は?
かんりにん「ちょ!!アンソニーはやくどいて!!福祉チームのエレベータに乗っておいて!!
アンソニー?!!ちょっと?!!?」
オーケストラさんの…生演奏…?
ああ、母さん…オレ、今すっごく幸せです…
だって…だって…!!
推しの生演奏を…!!!こんな間近で…!!!!!
(一応元)静オケ専属の職員、アンソニーの話。まさかの良い判定と悪い判定ばっか叩き出して何回も静かオケ逃がした作業下手くそ野郎。ウェザービーを見習え。
個人的に結構お気に入りの職員だから書いちゃった。可愛いね。殺すぞ
オフィサー処理を邪魔するアンソニー、良い判定悪い判定ばっか連発するアンソニー、静オケの作業が上手すぎるウェザービーは普通に実録。
アンソニー、覚えてろよ…
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