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1.『再開』
晴明『あっ、佐野君!』
佐野『ッ、せい、めい?』
俺は数年前に死んだ担任と出会った
晴明『やっぱり見えてるんだね!関心関心!』
いつもと同じだけど何処か違う彼の雰囲気に俺は圧倒された
晴明『ねぇ、僕……”地縛霊”になっちゃった……』
佐野『はぁ?』
晴明『僕、天国に行けなくなちゃった、』
何処か寂しそうな目をした彼を俺は見るだけしか出来なかった
晴明『僕の未練…佐野君が代わりに果たしてくれない?』
佐野『その未練が果たされたら、お前は居なくなるのか?』
晴明『どうだろうね。分からない、けど僕はまだやり残した事が沢山ある……それを佐野君にやって貰いたい、託したいそれだけは嘘じゃない』
佐野『………』
晴明『けど、佐野君は僕が居なくなっても悲しくないでしょ?だから』
佐野『悲しいに決まってんだろ』
俺は小さく、呟いた言葉は蝉の鳴き声にかき消された
晴明『お願い、佐野君』
佐野『…………』
そうだった。お前はそうゆうやつだったな
佐野『分かったよ、やってやるよ』
晴明『ほんと?!嬉しい!!ありがとう佐野君!!大好き!!』
さしぶりに聞いた彼の声と言葉
俺はほんの少しだけ安堵と嬉しさが込み上げただけどほんの少しだけ悲しくなった
あぁ、この声も言葉も彼も存在はしていない
俺の幻覚、幻聴かもしれないと思う俺がいた
だけど、もう失いたくないと思う俺もいた
これだけは嘘じゃない
お前がもう一度現れた時世界がもう一度透き通って見えた
そうこれは俺がお世話になった地縛霊と素直になれない俺の物語だ