「倦怠期な彼」折り返しです!嵐が過ぎ去り、どんどん元貴くんの考えが明かされて行きますよ〜!
ここまで読んでくれて、たくさんのいいねを貰って感謝感謝です🙏✨
皆様大好きです🫶愛です🫶🫶
side若井
元貴「…もしもし涼ちゃん?俺ら今ずぶ濡れだから家寄らせて。悪いけどお風呂も焚いといてくれる?」
電話の相手は涼ちゃんみたい。
すぐに電話に出たところを見ると、ずっと連絡を待っててくれていたのだろう。
通話を切り、元貴が手を伸ばしてくる。
元貴「涼ちゃん家戻るよ。ほら。」
俺が戸惑っていると、伸ばした手を振って催促してくる。
俺は元貴と手を取り、二人でひとつの傘に入る。
涼ちゃんの家に歩きながら、元貴の横顔をチラと見てみると、何やら物憂げな表情をしていた。俺たちの間に会話はなかった。
涼ちゃんの家に着くと、大きなバスタオルを持って待っててくれてた。
藤澤「うわ…ほんとに二人ともずぶ濡れ…。もうお風呂沸いてるから二人で一緒に入っちゃいな。」
涼ちゃんは俺らが勝手に出ていったにも関わらず、起きてて出迎えてくれた。
俺らは濡れた服を涼ちゃんに託し、二人でお風呂に入り湯船に浸かる。
涼ちゃんの家のお風呂は広いけど、成人男性2人で入るとやはりきつきつだ。
元貴に後ろから抱きしめられる形で、湯船に浸かる。
元貴が後ろから、さっき噛まれた首筋の跡を撫でる。
元貴「若井さっきは痛くしてごめんね。」
若井「んーん。大丈夫。てか、俺が悪いから…元貴謝らないで。裏切ってごめん。」
元貴「いや、俺が全部悪いよ。涼ちゃんの言う通り、俺が若井の好意に甘えて、若井をおざなりにしてた結果だから。」
若井「違うよ!俺が悪いの。ごめん…元貴に避けられて寂しくて、涼ちゃんに甘えて。俺ほんと最低だ…。」
俺が落ち込んでると、元貴後ろからぎゅーと抱きしめられる。体だけじゃなく心もぽかぽかとしてくるようだった。
元貴「涼ちゃんに謝りたい。ちゃんと3人で話したい。」
若井「うん、ちゃんと話そう。これからの事。」
俺たちが風呂から上がると、2人分のタオルと下着と部屋着が用意されてた。
今この家にいる人間は、全員涼ちゃんのパンツを履いてるという事になる。
そんな事考えてる場合じゃないのに、少しおかしくて笑いをこらえる。
涼ちゃんのTシャツをきた元貴は、少しぶかい様で、彼シャツをしているみたいになってた。
そんな姿がたまらなく可愛い。
二人でリビングに戻ると、涼ちゃんがテーブルに座って待ってた。
途端に流れる気まずい空気。
俺が会話の突破口を開くべく、話そうとすると涼ちゃんが先に口を開いた。
藤澤「二人ともごめん!さっきはカッとなっちゃって……。元貴叩いてごめん。痛くない?」
涼ちゃんが元貴の右頬をそっと撫でる。
元貴「ん、大丈夫。こっちこそ勝手に上がり込んでごめん。」
藤澤「あっそうだよ。どうやって入ってきたの?オートロックは?」
元貴「若井の位置情報が涼ちゃんの家になってたから怪しいと思って。Uberの人が入る時に一緒に入った。」
それ何かでみたことあるやつ……。
元貴は俺と涼ちゃんの家の合鍵を持ってるからそれで鍵を開けて入ってきたのだろう。
外の雨音で鍵を開ける音もかき消され、 急に元貴が現れた様に感じて本当に背筋が凍った。
若井「なんで俺が涼ちゃんに家にいると怪しいって思ったの?」
元貴「だって二人シたことあるでしょ?だから今回もって思った…。」
俺と涼ちゃんは目を見合わせる。あの時のこと元貴知ってたの?
若井「え……いや、えっ。なんで?知ってたの?」
うんと頷く元貴。呆然とする俺たち。
元貴「だってあの頃の二人なんだか距離感とか変だったし。隠そうとしてたみたいだけどバレバレだったから。まぁでも、僕が勧めて同棲した訳だし何も言えないな〜って。 」
全部元貴はわかってたんだ。それなのに、気づかないフリをして今まで一緒に過ごしてくれてたんだ。
元貴が冷たい、寂しいなんて言っておきながら、俺の方が元貴を何倍も傷つけたたんじゃないか。
元貴に上手く隠し通せてるって思い上がってた自分自身が恥ずかしくて仕方ない。
元貴はこんな俺の事を許してくれるのだろうか。
コメント
8件
3人で集まって、ちゃんと話せて良かったよ〜〜!!! 大森さんの入り方がどこかで見たことあるの好き…笑 大森さん、ずっと気付いてても何も言わなかったんだね…… 大森さんの心情が気になりすぎるよ…
一気見して ほんとこんな感じの物語とか 自分の求めてる物語中々ないからめちゃ嬉しい、物語もわかりやすいし最高です!!
もう既に許しているような気もしますが… 三人とも冷静になれているので良かった! 大森さんが若井さんを避けていた理由が気になりすぎる!!