テラーノベル
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「山本は部活とか入ったの?」
「初めは入ったけどすぐ辞めた。気ままな帰宅部だよ。馬場さんは?」
「あたしは吹奏楽部」
「へ~似合うね!楽器は何をやってるの?」
「オーボエってやつ。知ってる?」
「…あぁ、なんか吹くやつってくらい?」
「あはは、そうだよね」
なんてことない会話も楽しい。
「みんなどうしてる?会ってる?」
みんな、というとあの頃のクラスメート?にしては…人数が多いよね。
「中学校はもちろん一緒だったけど…今は高校も一緒の人くらいしかわからないな」
「えー例えば?」
「同じクラスなら綾瀬さんと清川くんでしょ、他のクラスには白戸さん、愛川さん、杉本くん、平塚くん…他に誰がいたかな?」
「まぁ同じ小学校って見方はあまりしないか。 でもそっか…みんなと一緒に大きくなりたかったな…」
「あっ…向こうでは…?」
「ん?あ、向こうも楽しいよ!友達もいっぱい出来たし。そうだ、今から小学校に行ってみない?」
「小学校?うん。行きたいの?」
「山本はよく行ってるの?」
「そういえば…卒業してから行ってないか…」
「決まり!行こう!」
家から出て学校へ向かう。確か30分はかからなかったよな。まぁでもお散歩デートみたいでいいかも…デート?楽しい!
20分もかからず着いた。子供の頃とは違うんだな。
「わぁこんなに校庭狭かったっけ?」
確かに。あんなに走り回ってた校庭が狭く感じる。
「そうだね。鉄棒も…あんなに低い」
「あ!ねっ?逆上がり、出来るかな?」
馬場さんは急に走り出す。
「ちょっと!馬場さん!」追いかける。
「え~!一番高いのでもこれ?出来るかな…」
馬場さんは構えると、えいっと見事に逆上がりをする。あっ!
「…見た?」
「見てない…」白いパンツ、すらりとした白い太もも…
「ふぅん、ま、そういうことにしとく」
とんっ、着地し、少し顔を赤くしている。
「小学校に遊びに来る子っていないんだね」
土曜日の昼過ぎ。僕たちの頃はまだ土曜日は半日授業があって、お昼を食べたら学校に集合!って言って遊んでる生徒も結構いたのに…
「そうだね。今はみんな家で遊んでるのかな」
「でも、来れてよかった。1人だったら外から見るだけで中までは入らなかったと思う」
僕でもきっとそうだろう。懐かしいけどやっぱりもう自分のいる場所じゃないと思う。
ぐるっと見回ってから校門まで戻ってきた。
「よくここで待ち合わせたよね」
「うん。家に行ったり秘密基地に行ったり、楽しかった」
「あの、このあと…」
「あっ、そうだね。でももうそろそろ戻らなきゃ」
あっ…そうなんだ…
「うん、…今日は会えて本当によかった」
「あたしも!山本が変わってなくてよかった」
「馬場さんは…きれいになったね」
「!そんなこと…言うようになったんだ(笑)」
「あっ!ごめん!変だったかな?」
「ううん、嬉しい!」
「あたし、赤沢大学を受けるつもりなんだ。だから春には戻ってくる予定だから、そしたらまた会ってね」
「へぇ赤沢大学…もちろん!楽しみにしてるよ。じゃあ駅まで送るよ」
「ありがとう」
最寄り駅は、小学校とうちの真ん中辺り。
すぐに着いてしまう。
コメント
1件
読了しました〜🥀 馬場さんとの再会、すごく切なくて温かい回でしたね。「向こうも楽しいよ」って言いながら、やっぱりこっちに未練がある感じとか、校庭が小さく見える大人になった距離感とか…逆上がりのシーン、山本くんの「見てない」が絶対見てるやつでちょっと笑っちゃいました(笑) 「春に戻ってくる」って約束、ちゃんと叶うといいな。駅までがすぐに着いちゃう切なさ、すごく伝わりました🌙