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MAKO
ハウレスとボスキが乳母車を作ったと言うので🌸は早速🌼を連れて見せてもらうことにした。
「こちらです。気に入っていただけると嬉しいのですが・・・」
ハウレスは不安と期待の降り混ざった色の煙を纏って乳母車を持ってきた。
🌸『わぁ!可愛い・・・』
乳母車は縦長の籠の下に車輪が取り付けられており、レースでできた日除けが上品な印象を与える可愛らしい見た目だった。
中にはフカフカのクッションが敷き詰められており、寝心地も良さそうだ。
ボスキは持っていた膝掛けを上から掛けて見せ、寒い日でも暖かく過ごせると自慢げだった。
🌸は早速🌼を乳母車に乗せて押してみた。
🌸『わぁ音が全然しない!』
「室内ですと地面が平らですからね。外だとどえしても少し音がしますが、できるだけ静かになるようにしています」
「振動もあまり響かないように設計してるし、頑丈に作ってる。だから安心して使ってくれ。壊れてもすぐ直してやるからな」
🌸『ありがとうございます!』
🌸が屈託のない笑顔を見せると、2人から喜びの感情を表す黄色の煙がばっと立ち上る。
🌼に嬉しいねぇと話しかけてはしゃぐ🌸の姿に、2人は満足そうに頷いた。
早速🌸は🌼を連れて庭を散歩することにした。
丁度見頃の花があると教えてくれたアモンと2人で話しながらゆっくりと花壇の間を歩く。
「こっちの花はもう少しで満開なんっすけど、今くらいのほうが香りが強くてーー」
🌸『そうなんだ!本当にいい匂いね』
🌼『きゃーっ!』
🌼は近くを飛んでいる蝶々が気になって、捕まえようと手をバタバタとさせていた。
庭を一周して花を見て回り、東屋で一休みすることにした。
🌸『アモン君、ありがとう。とっても楽しかった』
「こちらこそっす!また見に来てくれると嬉しいっす」
アモンは紅茶を入れながら上機嫌で🌸とおしゃべりを楽しんでいる。
🌼は遊び疲れたらしく、すやすやと眠ってしまっていた。
🌸は紅茶を飲みながら美しい花々を眺め、数週間前からすると考えられないほど幸せな生活をしていることを実感していた。
(でも・・・たまたま指輪が選んでくれた主ってだけで、こんなに良くしてもらって良いのかな・・・?
私何も出来てないのに・・・ここに居てホントに良いのかな・・・?)
幸せを知るとそれを失う不安と恐怖も知ることになった🌸は、カップを見つめながらため息を吐いた。
そんな様子を見たアモンは🌸には気晴らしが必要ではないかと思い、街に出ることを提案してみた。
「どうっすか?ちょっと街まで出かけて、美味しいものでも食べに行きましょうっす!
それに、新しい花の苗とかも選んでほしいんっす」
🌸『え・・・いいのかな・・・』
「何言ってるんっすか!良いに決まってるっす!」
🌸『・・・じゃあ・・・行きたい、です』
「やったっす!
あ、でも俺1人じゃ護衛が足りないのであと何人か誘っていきましょうっす」
🌸『うん、お願いします』
🌼『・・・んぅ・・・』
🌸『ん?起きた?お腹すいた?』
🌼『んー・・・』
🌼は一度起きたがまだ眠たいようで、若干ぐずりながらウトウトしている。
🌸はお腹をトントンしてやって寝かしつけた。
お出かけ当日、🌸、🌼、アモン、ナック、ロノ、バスティンの6人で馬車に乗った。
バスティンとロノは御者をするとのことで車内には4人と乳母車が乗った。
「今日は銀行に用事があって本当に僥倖でした。まさか主様方とご一緒できるとは」
ナックは嬉しそうに笑ってナック節を披露していた。
アモンはナック節に照れている🌸を見ながら🌼を抱っこしてあやしていた。
🌼はアモンの胸元のリボンを気に入ってずっといじっていた。
街に着くと、用事のあるナックとロノとはは一旦別れて行動することになった。
バスティンに乳母車を押してもらい、アモンが贔屓にしている花屋に向かう。
「いらっしゃい、今日は大勢ね?」
「はい、主様にも来てもらったんっす」
「あら、そうなの」
アモンは店主と楽しそうに話し始めたので、バスティンと一緒に店頭に飾られている花々を見ていく。
🌸『ねぇ、これは幾らなの?』
「これか?5本で200ゼニーだな」
🌸『こっちのお金はゼニーっていうんだ・・・
じゃあ、こっちは500ゼニー?』
「あぁ、そうだ。覚えが早いな主様」
🌸は今更ながらにこちらの世界の金銭についての知識が全く無いことに気がついて少しだけ勉強し始めた。
🌸『100ゼニーだとどのくらいの価値になるのかな?』
「そうだな・・・ちょっとした菓子や小さいパンくらいなら買える」
🌸『そうなんだ・・・』
大体100円=100ゼニーと考えて大丈夫そうだと安心し、話し終わったアモンと花の苗を見に行った。
冬でも花を咲かせる低木の苗を何本か買って、馬車に戻ることにした。
馬車の中で授乳して🌼の背中をトントン叩いていると、遠くから悲鳴が聞こえてきた。
慌てて窓から声のした方を覗くと、空から光っているものが下りてきていた。
「主様!天使っす!」
「力の解放を!」
🌸『う、うん!・・・執事達の力を開放せよ!』
🌸は馬車を降り、🌼を抱えてアモンと共に天使の所に向かう。
🌸『あれが、天使・・・』
🌸は初めて間近で見る天使に目を奪われた。
真っ白で人形のように整った容姿が美しいと思ったのだ。
しかし、その天使はバスティンの大剣によって真っ二つにされてしまう。
🌸『す、すごい・・・』
「あまり近づくと危険っす。このへんで待つっす」
🌸『そうだね、ごめん』
アモンの後ろで戦いを見守り、何かあったらすぐに逃げられる準備だけする。
アモンは鞭で🌸の方に来る天使たちの方向を変え、時には地面に叩きつけて消していった。
しかし、🌸の背後から天使が迫っていることに気づくのが遅れ、🌸はアモンに🌼を抱かせて突き飛ばした。
「主様ーーーっ!!!」
アモンが必死に手を伸ばしても遅く、🌸の姿は天使の放った光に包まれてしまう。
🌸『っ!!』
🌸は眩しさに目を瞑り、身を固くした。
キーーンという高い音が鳴り響き、光が落ち着くと音も消えた。
そっと目を開くと、信じられないものを見たと言う表情のバスティンと半泣きのアモンがこちらに駆け寄ってきていた。
「何してるんっすか!!馬鹿じゃないっすか!?」
「主様、今のは一体・・・?」
🌸にも何が起こったのか分からず混乱していると、ポーチに入れていた御守りが光りだした。
[御守りを持っていて助かったな、童]
その声とともに真っ白で大きなキツネが現れた。
[詳しくは後で話そう。
とにかく今はアレを片付けるのが先だ]
そう言ってキツネは天使に向かって低く唸ると炎を吐き出し、近くに居た天使たちを一掃した。
まだ空に居た天使たちはケーンとひと吠えして消してしまった。
「すげぇっすね・・・」
「主様、あれは何だ?」
🌸『えっと・・・神様かな、多分』
「「神様!?」」
2人は大層驚いたが、天使を一瞬で消してしまえるほどの力を持つものの正体とするなら納得かも知れない、と思った。
アモンを庇って天使に消されかけたことを知った執事たちによって🌸は長時間の説教をされてしまった。
その間、キツネは🌼を背中に乗せたまま寝転んでたまに🌼をぺろぺろしていた。
🌸がどうして天使に消されなかったかの説明の途中で🌸が執事達に連行されていったので、少々不貞腐れているようだ。
[おい、悪魔執事]
「・・・なんっすか」
キツネは嫌な貴族のように近くに居たアモンを呼びつけた。
[童は危なっかしいな?]
「主様のことっすか?それはもう・・・」
[じゃから、暫くの間はここに留まろうと思う]
「は・・・?」
[別に部屋や食事は要らん。が、たまに酒を供えてくれると嬉しい]
「は、はぁ・・・」
御守りのおかげで主は天使の攻撃をある程度防ぐことができ、その御守りを作った神様が屋敷に留まることとなり、天使狩りはとても楽になった。
勿論、もう二度と御守りを使わせなくて良いように主を守るための訓練は欠かさない。
ただ、神様に全部良いところを持っていかれてしまう執事たちはちょっと不満げであった。
コメント
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わあ、今回も本当に素敵なお話でした🌸 乳母車の細かい描写が可愛くて、庭の散歩や街の花屋さんの風景も優しい雰囲気でほっこりしました。でも最後の天使襲来で一気に緊張が走って、🌸さんがアモンを庇ったシーンは胸がぎゅっとなりました…!神様のキツネが現れた展開、すごくワクワクしますね。執事たちが不満げなのも可愛くて、続きが気になります!