え?ちょっと待って?!どうして司先輩が…?倒れてるし…。…良かった。脈はあるみたいだね。どうしよう…。タイミング悪いな…。うーん…。しょうがない、セカイに連れていくしかないかな…。荷物で手が塞がってるし…。
瑞希はスマホをタップしてセカイに向かった。
「ふぅ…。とりあえず連れてきちゃったけど、どうしよう…。とりあえずまふゆに連絡しよう。」
『まふゆ、ごめん。セカイに人、入れちゃった。』
直ぐに返信が来た。
『分かった。直ぐ向かう。』
相変わらず素っ気ない返事だな〜。
その宣言通りに直ぐまふゆは来た。
「その人…」
「あぁ、道に倒れ込んでるから…ごめん、ボクの先輩、名前は天馬司先輩。」
「今にも壊れそうだね。直ぐ来て良かった。」
「へ?どういうこと?」
まふゆは何も言わずに司先輩の服を捲った。
「ちょ、ちょっと!まふゆ!なにして…って、え?」
そこには見るだけでも痛々しい痣が無数にあった。
「うわ…。酷い…」
「こんな痣、普通はつかないはず。」
「あぁ、司先輩、ショーしてるから…でも関係あるかな?」
「ふーん…多分この傷はショー?をしてた時についた傷だと思う。いや、多分そのショーを一緒にしていた人達に付けられたんだと思う。」
「え?どうして…」
「この痣、かなり強い衝撃を受けないとつかない。多分この痣、鳳さんがつけたんだと思う。」
「え、えむちゃんが…。」
「実際、鳳さんに突撃された時、かなり、痛かったし。」
「それにしても痛々しいなぁ…。」
「…これ、かなり酷い…。」
「どうする?司先輩…」
「目、覚めたら言って。」
「え?ちょっと待ってよー!」
行っちゃったよ…。大丈夫かな、司先輩…。
起きたら聞かないと駄目だね…。
しばらく作業しながら司先輩の隣で待ってみたけど…。一向に目が覚めない。
どうして司先輩は傷つかないといけなかったんだ…。許さない。流石にこの痣は…
後で類を、問いただしてみよう。
「っ、うぅ…」
もうしばらく待っていたら司先輩の意識が戻った。
「つ、司先輩!大丈夫ですか?!」
「あ、あき、やま…。ここは…」
とりあえずまふゆを呼ばないと…
「ちょっとじっとしてて!司先輩は怪我してるんですから。」
『まふゆ!司先輩の意識戻った!』
簡潔に伝えると直ぐに既読が着き、既読が着いた瞬間セカイに来た。
「…こんにちは、いや、こんばんは、かな?天馬司くん。」
「?…だれ、だ?」
「動かないで。ねぇ、天馬くん。」
「貴方の事を聞かせてもらってもいい?」
そう言ったまふゆの目は、とても怖かった。
逃がさない、といったような。そんな感じがした。
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