授業が終わり、部活の時間になるころ。
楓とむつるは教室を抜け、人気のない旧棟の裏へと向かった。
「……この時間帯に、気配があるのはおかしい 」
むつるが低く言う。楓は頷き、羽織を脱ぎ、忍者装束ーー赤と黒を基調とした「炎熊」の姿へ。
むつるもまた、制服の下に隠していた装具を手早く早着し、「光龍」の姿に変わる。
そしてーー
木の陰に潜む黒い影。
人ならざる気配と殺気が、そこにあった。
「侵入者、確認。正体不明」
「術、構える」
次の瞬間、楓の手のひらから炎が巻き上がる。
むつるの周囲に、光の粒が集まり始める。
術戦ーー開始。
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