イジメ、強姦描写あり。
自殺未遂
兄弟やその他に虐められます
動物虐殺描写あり
終わり方とかめちゃくちゃです。すみません
きっかけ?そんなもの、本当に些細なものさ。
テストの点が高い
周りに媚を売っているんじゃないか
根暗
気持ち悪い
静か
友達が居ない
真面目すぎる
松野一松はこんな些細な理由で虐められていた。
最初は軽く、無視や落書き程度だった。
しかしある時、クラスメイトをカッターで切り付けたと嘘の情報を流されてからは段々暴力や私物を壊したりなど、酷くなっていった。
一松の心の拠り所は家…ではなく、心の拠り所なんて路地裏の猫しか居なかった。
何故か?
それは兄弟や家族にあることないことを吹き込まれ、誰にも信じて貰えなくなったからだった。
身体中ボロボロ、私物も壊され、兄弟両親にも罵られ、殴られ、心を壊される。
一松だって我慢できないわけではなかった。
序盤は自身に対しての暴力だった。
しかし次第にそれは一松の心の拠り所。
そう。猫を傷付けるぞと脅して抵抗させないようにさせた。
ある日
いつも通り路地裏に連れ込まれ、殴られ、蹴られ、踏まれた。
「やめ…っい…ぐぅ…」
兄弟に傷つけられても、まだ信じていた。
(きっと、おそ松兄さんもカラ松兄さんもチョロ松兄さんも十四松もトド松も助けてくれる。お願い、助けて。助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて)
「たす…け」
手を伸ばして地面に落ちていた硝子の破片を取り、自身の身体を踏む不良の脚を刺した。
忽ち紺のズボンはじわじわと赤を広げ、不良が呻く。
「っこんのやろぉっ…!!」
不良は激怒し近くで見守っていた一松の大事な友達の首根っこを掴んだ。
「っ、!ごめんなさ、やめて、クルミ、離して、下さい。お願いします許してくださいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
腫れてパンパンになった目から赤が混じる液体が流れる。
一松は懇願し、許しを乞うた。
しかしそんな謝罪も虚しく、目の前であっけらかんと猫は殺されてしまった。
汚い手で首輪が着いていない、野良を示す首を締め、目の前で殺した。
「…ぁ…ああああああああぁああああああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
一松は狂ったように叫んだ。
不良は一瞬気圧され、1歩退けった。
「っうるせぇな!黙れ!お仕置してやるよ」
不良はにたぁと笑い、後ろに立っていた不良に目配せをした。
一松は冷たくて赤と黒が混じるコンクリートを見つめていた。
が、そこに息絶えた猫を落とされ、目を見開いた。
「あ…ぁあ…クルミ…っごめん、ごめん」
重い腕を伸ばす。もう少し。
もう少しで撫でてあげれる。
…クルミ…!
グチャ。
目の前の冷たくなった猫は意図も容易く踏み潰され、ぺちゃんこになってしまった。
「…ぇ」
もう声さえでず、声にならない空気が口から吐き出された。
目の前には綺麗なエメラルドグリーンの目玉が頭蓋骨から追い出され、光を反射しキラキラと輝いていた。
一松は呆然としながら、不良に怒鳴られた。
「おい、服脱げよ!!!お仕置してやるよ。」
もう、抵抗はしない。
すんなり服を脱ぎ、痣や切り傷だらけの身体を見せた。
食事をろくに取れず、やせ細った上にリストカットやアームカットをしている一松の身体は見ていられなかった。
「うわっ、きったねぇ!…でもなんかエロくね?」
「お前趣味わりーよ!」
不良は後ろを振り向きながらにたにたと気味の悪い笑顔を浮かべていた。
「予定変更だ。よし、一松くん。俺らが可愛がってあげようじゃないか。俺達最近溜まってるんだよね〜」
一松とて思春期の男であり、「溜まっている」という言葉が何を意味するのかを理解していた。
それでも抵抗はせず、虚ろな瞳で見上げた。
不良がカチャカチャとベルトを外し、貧相な男性器を一松に見せつけた。
「はっ…きったねぇ…」
抵抗をしないはずだったが、余りにも可笑しくて笑ってしまった。
「…ぁ?なんだと?お前ら、囲め」
気付けば男性器を露出した不良達に囲まれていた。
一松は暴力にも暴言にも耐えていた。
が、強姦は初めてだった。
恐怖に身体は震え、抵抗したい気持ちがじわじわと浮かび上がる。
しかし一松は自分勝手な行動で愛しい猫をこれ以上殺したくなかった。
そこで一松は近くのダンボールに隠れていた子猫に目配せをしてこの辺りに近付かないようにしてもらった。
少し安堵した途端、いきなり口に男性器を突っ込まれた。
思わず嘔吐く。
しかし不良は止まらなかった。
「…噛むんじゃねぇぞ。すぐに猫なんて捕まえられるんだからな」
と一松の顔を手でペチペチ叩き、下卑た笑いを起こした。
そこから一松はただされるがままだった。
喉奥に熱い液体を吐き出され、己の唾液で濡らされた指を肛門に突き刺され、ぐちゃぐちゃと動かされた。
態と鳴らされる下品な音に耳を塞ぎたかったががっしりと掴まれた両腕が痛く、諦めて己から発される音を受けいれた。
その後はなんの躊躇もなく男性器を挿入され、代わる代わる精液を吐き出された。
気付けば口に猿轡を嵌められ、両手は縄で縛られていた。
一松の伏せられた目から涙が一筋流れた。
それから数時間。辺りはすっかり暗くなり、不良達もわいわい会話をしながら去っていった。
途端猫達が慰めるように一松に擦り寄った。
一松は視線だけを猫に移し、自嘲的な笑みを浮かべた。
「…クルミ守ってやれなくてごめん」
指1本さえ動かすのが億劫になり、暫く路地裏に横たわっていた。
が、そんな空間を壊すかのようにある人が声をかけた。
「…あっれぇ?そこで何してんのぉ?」
煽るように両手をポケットに突っ込んだまま此方へ歩いてくるのは六つ子の長男、おそ松だった。
一松は眠たげな目を見開き、声にならない声を上げた。
おそ松はにたにた笑いながら此方へ歩いてくる。
「お前きったねーなー。犯されたの?まぁお前が誘ったんだろうけど。気持ちわりー。ほんと、お前って要らない存在だよな。
…あっ!死ねばいいんじゃね?やっぱ俺って天才だわ〜!猫も一緒に殺して死体の上に置いといてやるよ。優しいだろ?」
早口で、それでいて聞き取れる声量で言い放ち、一松の顔を見つめるおそ松。
一松のとっくに砕けていた心はもうこれ以上傷つかなかったが、一松の決意を固める言葉によりすこしチクリと存在を主張した。
「はは…ははは!!!あはははははは!!」
一松はもう何年も見ていない程の満面の笑みで笑い、おそ松を愛おしそうに見詰めた。
「おい、なんだよ。いきなり笑って…きっしょくわりぃ。」
おそ松はつまらなくなったのか怖気付いたのか、後者だと思うが慌てて踵を返し路地裏から出ていった。
一松は未だ笑顔で、誰にも聞こえない程の声で呟いた。
「っふふ…死のう」
慈しむように一松を見ていた猫は見守るように一松の額にキスを落としてその場を去った。
一松は確実に死ぬために地面に落ちていた大きな硝子の破片を持ち、首元に当てた。
「…母さん、父さん、おそ松兄さん、カラ松兄さん、チョロ松兄さん、十四松、トド松。今までありがと。大好き”だった”よ」
走馬灯だろうか。今までの思い出が一気に蘇り、一松は涙が溢れた。
楽しい記憶、兄弟に殴られ蹴られ暴言を吐き捨てられる記憶、両親に蔑まれる記憶、猫に囲まれ大声で泣いた記憶。
全てを封印するように一松は笑った。
「…ふひっ。」
硝子は一松の喉を貫通し、赤い血が伝った。
一松は血の流れを早くする為に硝子を抜いたり刺したりを繰り返した。
暗くなる視界。液体が垂れる音。
最後に蘇ったのは遥か昔の家族の楽しげな笑い声だった。
『一松!早くしろよー!プリンあるよ!』
『一松、一緒に商店街まで出掛けない?』
『一松、駄菓子屋に一緒に行こうよ!』
『一松、一緒にこの本読もう!』
『一松、みてみて!てんとう虫捕まえた!』
それから一松は暗闇の中をずっとずっと歩いていた。
しかし遠くに光が見え、一松はやっと逝けるのかと早足で光へ向かった。
しかし一松の期待は呆気なく折れた。
目を覚まして薄く目を開けば聞こえてきたのは慌ただしい男の声、ピッピっと無機質な機械の音、複数人の泣き声だった。
「っ!!意識が戻られました!」
大声に驚き、震える身体を誤魔化すように起き上がろうとする。
「あ、駄目ですよ、寝てて下さいね」
優しそうな見知らぬ男性に身体を触られそうになる。
何もかも諦めていたはずの一松の顔は恐怖で染まり、咄嗟に身を守る動作をしたあと、ひとりでに言葉を紡いだ。
「ひっ!!…っあ、ぅ、ごめんなさ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…助けて許してごめんなさい。猫は、猫だけは…ごめんなさい僕、俺、あ、わからな、こわ、猫だけはたすけてっごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
一松は錯乱しながらも自嘲した。
(こんなに怖い怖いって…諦めたんじゃないのかよ。ホントゴミクズ。僕は、俺は、ほんと…)
大粒の涙が頬を伝いながらも一松の口元はやんわりと歪に弧を描いた。
そんな一松の様子を見た男性は息を呑み、医師に何かを呟き、女性の看護師を呼んだ。
看護師はコツコツと靴を鳴らしながら病室へ入室した。
「大丈夫ですよ。落ち着いて下さいね。ここには怖いものはいませんよ。はい、深呼吸してください。吸って〜吐いて〜。上手ですよ、偉いですね。」
背中を摩りながら落ち着く声で語り掛けてくれる女性のお陰で一松の呼吸は元に戻り、申し訳なさそうに視線を逸らすほどには回復していた。
「ごめんな…さい」
「いいえ。目を覚ましたら全く知らない所にいて、全く知らない人に近付かれたら怖いですよね。すみません」
ベッドに横たわる一松は腕に刺さる点滴を見て少しばかり顔を顰めた。
一松は注射が苦手なこともあり、点滴等が視界に入ると思い切り顔を顰める癖があったが、今は表情筋が張り詰めているのか思い切り表情を動かすことは無かった。
「御家族に連絡をさせていただいたのですが、来院されないんです。何か心当たりありますか?」
一松は心の中で溜息を付いた。
(会いたくない。怖いな。)
「え…っと僕は家族に嫌われてるので…多分こんなゴミ屑には会いたくないんだと思います…っていうか、何で僕生きて…?」
落ち着いたが途端に脳内に流れ込んだ疑問と質問の回答を口にすれば医師は淡々と答えた。
「……松野さん。もう少し遅ければ貴方は助かっていませんでした。」
何も悪くない医師にピリピリとした気持ちがぶつかり、思わず叫ぶ。
「……どうして助けたんですか。死にたかった。生きたくない!どうして!!!」
痛む喉を無視して叫べば、冷静になる脳内。
「…っ!っあ…ごめ、ごめんなさい。すみませっ…」
顔を青くして震えながら謝罪をすれば医師は優しそうな笑顔で答えた。
「松野さん、カウンセリング、してみますか?というかその前に家族に会ってもらわないとですが…。」
一松はカウンセリングという全くの無縁だった言葉に首を傾げながらも頷いた。
それからは早く、あっという間に家族に連絡がつき、面会することになった。
両親は仕事の為兄弟のみである。
(また殴られたりするのかな。お金も、また取られるのかな?猫たちに餌あげられなくなっちゃうな。こわいな。会いたくないな。こわい、こわいなぁ…気持ち、封じ込めた筈なのになぁ。)
そうぐるぐる考えてる内に一松は眠ってしまった。
真っ暗。いや、光がある。家族が、兄弟がいる。
重い足に鞭を打ち、走る。
「「「一松」」」
「「一松兄さん」」
己の名前を呼んだ優しそうな兄弟の顔はみるみる内に歪み、笑いながら暴言を吐いた。
「何でまだ生きてるの?そのまま死ねばよかったのに。死ねよ。死ね。お前なんて要らない。生きてる価値なんて無いよ。」
ケラケラと笑う兄弟は踵を返して光の中へ消えてゆく。
僅かにあった希望は粉々になり、散った。
目を覚ますと、冷や汗をびっしょりとかき、涙が流れていた。
だから一松は見えていなかったのだ。
迫り来る赤いパーカーを纏った手を。
視界に指が入る。
一松は悲鳴をあげながらおそ松の手を払い、起き上がって前回のように身を縮こませた。
「ひっ!!!やだ、ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!助けてごめんなさいおそ松兄さ、やだやだやだこわいこわいこわい」
咄嗟に口から出た言葉に益々顔を青ざめて口を覆う一松。
一松が虐められるようになってからお前なんて家族じゃないと、二度と兄とも名前も呼ぶな、と言われた為だ。
口を覆って、しかしすぐに慌てて枕を抱きしめて震える一松を固まって見る皆。
全員がバツの悪そうな顔をした後、ハッとして慌ててナースコールを押した。
カラ松が拳を握りしめ、唾を呑み込んだ
「一松、一松!おい、大丈夫か?!おい!」
カラ松が一松の身体を揺する。
カラ松は己を認識させれば落ち着くと思っていた。
しかし、そんなことは無かった。カラ松とて一松を殴り、蔑み、嘲笑した。
「触らないで!!いやだっ!!!ごめんなさい!!許して、もう殴らないでごめんなさい僕が悪かったから!!ごめんなさい!!!誰か、っ助けて!」
焦点の合わない涙がボロボロ零れる目でカラ松を睨んだ後、、何かに怯えるように目を瞑った一松。
トド松の目に涙が滲み始めた頃、看護師が慌てて入ってきた。
「松野さん、分かりますか?私ですよ。大丈夫です。怖くない、怖くない。ほら、息を吸って、吐いて。偉いですね、はい吸って…吐いて…そうそう、上手ですよ。はい大丈夫。大丈夫。」
段々と過呼吸になった呼吸が整う一松を見て兄弟はいかに自分たちが酷いことをしたのかを理解した。
落ち着いた頃、一松は兄弟よりもバツの悪そうな顔をして口を開いた。
「ごめん…お金は…今、無い。すぐなんとかするから今だけは許してくださ…っあ、殴るなら…っ…バレない所にしてっ…」
小刻みにかたかたと震える身体を抱きしめて視線を逸らし、口元を歪めながら一松は早口で言葉を紡いだ。
おそ松とカラ松が顔を見合わせ、唾を飲み込んだ。
「…一松」
おそ松の口から滑りでた己の名前は感情を乱すには充分だった。
「ひっ、な、なん、なに。」
ビクッと身体を揺らし完全に開かれていない眠たげな目でおそ松を見たり視線を逸らしたりと目を泳がせた。
「…本当に、ごめん。俺達お前がクラスメイトをカッターで傷付けたって嘘、信じてお前を傷つけて、ここまで追い詰めた。」
全員椅子から立ち上がる。
一松の身体が揺れる。
「本当に、本当にごめんなさい。」
皆涙を流しながら狭い病室で頭を床に擦り付けて土下座をした。
「え、っぜんぶ、全部俺が悪いからさ…謝らないでよ…こんなゴミ屑には謝らなくていいよ…」
その言葉を合図に皆が顔を上げ、唇を噛む。
「俺たち、自殺未遂するほどお前を追い込んで…その上一松がそんなに卑屈になるまで…っごめん、ごめんな一松…」
そうやって次々謝罪する兄弟と一松の関係を断ち切るように待機していた看護師が口を開いた。
「面会時間終了です。松野さん、休みましょうか?」
おそ松達は涙を袖で拭いながら名残惜しそうに退室した。
一松は自嘲的な笑みを浮かべながら看護師さんに話し掛けた。
「看護師さん、俺生きてる意味、あるかな?」
看護師は以前一松を落ち着かせてから話し相手として暇な時に病室を訪れていた為、敬語は取れ、今では兄弟より気を許せていた。
「そんなの…そんなの、あるに決まってるじゃない。猫が好きな私に詳しい猫の種類とか教えてくれたでしょ?私、嬉しかったよ?松野さん…ううん、一松の事、私好きだよ。生きてて欲しい…けど、私はそれを強制はしない。勿論医療現場で働いてるから人を死なせたくないけど、生きてる事で一松が傷付くなら、無理はしないで欲しい。」
手を握り目尻に涙を浮かべ、微笑みながら一松に語りかける。
一松はキョトンとした後、本当の笑顔を見せた。
「…そっか。やっぱり生きるなら兄弟とも話し合わなくちゃ…ね。俺、すぐにパニックになっちゃうから皆もそれを怖がってる。まだ道程は長いかもだけど、今度こそ兄弟とちゃんと話して、生きるね。ありがとう。」
「…うん。一松、また猫のことで話そうね。上の人に呼ばれてるから、またね。」
一松は看護師に貰った猫のぬいぐるみを撫で、壊れた心が少し暖かくなるのを感じた。
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一松〜泣かないでーうわぁー悲しくなるよー!!