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「ねぇ・・・お福さん一回息づきしたらどうかしら・・・・また血圧があがるわよ」
アリスは手をめいっぱい伸ばして、スマホを耳から遠くにやっていたが一言いいたくて耳元に戻した
「私の血圧はお嬢様が勝手にいなくなった時からとっくに上がりっぱなしです!!◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪(怒)●&%#!!●&%#!!」
お福の興奮したお小言が収まるまで、一回アリスはトイレへ行って戻ってきたがスピーカ口では、まだお福は小言を大声で言い続けていた
「ゼ―・・・ゼ―・・・ッそれで?いったい私に何のご用で、電話していらしたんですか?・・・・」
やっとお福の怒りが収まってきた様子で、アリスはにんまりした
「美味しいお味噌汁を作るのには、どうすればいいの?」
「まぁ!これまた何をおっしゃるのかと思えば・・・でもそうですね・・・一人前の淑女ともなれば料理の一つも出来ないと
行けません、ましてや日本の大和撫子でありますれば、日本食は必須の課題でございます。お嬢様と来ましたらイギリスだかなんだか知りませんが、あちらの焼き菓子には興味を持たれてお作りになられていましたが、ええ・・もっぱらお料理は興味をお示しになさりませんでしたからね、それで?・・・具財は?何を入れたのですか?」
「お豆腐と・・・ワカメ」
「オーソドックスですね、それでまずくなるのは訊いたことがございません」
「そこなのよ~・・・」
アリスは憐れに聞こえるように言った
「ひょっとして・・・・お味噌汁にお出汁は入れなかったんですか?」
「お出汁?何?それ?」
「まぁ!それじゃ不味くなるのは当たり前ですね、お味噌をお湯で溶いただけのお味噌汁なんてゾッとします」
「そっかぁ~~~・・・お味噌汁には、お出汁を入れないといけないのね」
そこでさっきからしゃべりっぱなしの、お福に初めて沈黙が起こった
「ひょっとして・・・・
そのお味噌汁を飲ませたいお相手は・・・・・・殿方ですか?」
「ええそうよ、私の愛しい旦那様よ」
「旦那様??!!!まさか!お嬢様!ご結婚なされたのですか?私共に何の承諾もなしに?お相手は?どこのお方ですか?日本人?だいたいお嬢様は◎△$♪×¥●&%◎△$♪×¥&%◎△$♪×¥&%◎△$♪×¥&%◎△$♪×¥●◎△$♪×¥●&%◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&◎△$♪×¥●&%◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●―」
アリスは難聴になる前に腕を伸ばし、耳からスマホを遠ざけた
「ああっ・・・また電話するわ、あとで私がいる住所だけラインで送るから、じゃぁね~~ 」
夕方早めに北斗が帰ってくると、なんだかアリスがソワソワしている
「おっおかえりなさい、北斗さんっ!早かったのね」
コホンッと照れ隠しに北斗が咳をした、たしかに早すぎたかもしれない、まだ5時前だ
「ああ・・・何してたんだ?」
「ダメッダメッ!キッチンに入っちゃ・・・・」
そう言うアリスよりも早くキッチンに入った北斗は驚いた
そこには鰹節らしい粉が、キッチンの床一面を覆っていた
「あ・・あの・・・・納屋の食品庫で見つけて・・・落してしまって・・・掃除機で吸ったら・・・・掃除機が詰まったの・・・・・ 」
あの米10キロほどの袋の大きさの特大鰹節を、全部ぶちまけたのか?
北斗が目を見張ってアリスを見たら、小さなアリスがなんだかもっと縮んだ気がした。怒られるのではないかともじもじしている
そしてシンクの中を見ると、フライパンと鍋が散乱していて、ガスレンジには何かがはじけ飛んだような、液体跡があった
そしてアリスの髪には沢山鰹節がついている
プッ・・・
思わず北斗は吹き出しそうになって口を抑えた。この落胆ぶりを見たら、ここで笑えば傷つくかもしれないと思ったからだ
そこで北斗は、かつお節をキッチンいっぱいにぶちまけることなんて、日常茶飯事さとでも言うように涼しい顔をした
「そうだな・・・こういうのは掃除機じゃなくて、箒で掃いた方がいいんじゃないか?」
そう言うと北斗は戸棚から箒を出してきて、爆発したかのように、散らばっているカツオ節をかたずけ出した
「だ・・ダメよ!北斗さんにそんなこと・・・私がやるわ!」
カツオ節が宙を舞い、髪の毛にたくさんつけたありすが慌てて、北斗から箒をひったくった
いったい何を作るつもりだったんだろう、そしてどうやったらこんな実験に失敗したみたいになるんだろう
北斗は笑いが堪えきれず口元に手を当てて、ゴホゴホ咳をするフリをして密かに笑った
「すぐかたずけるから北斗さんはあっちへ行ってて・・・」
アリスは唇をごくわずかに震わして、目に涙をいっぱいためて顔をそむけた
北斗はしょんぼりして箒で掃いている、アリスを見るとなんだか可哀そうになった
昔の北斗はせっかちな男で、人に感情をあらわにされるとイライラした
泣くのは非生産的で時間の無駄だし、なにより弱さのあかしでしかないと考えていた
けれども相手がアリスだと、どうやっても腹は立たたない