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#SF
柘榴とAI

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66
#児童向け小説風
layRa
240
ロードの存在がヒーロー部に認知されてから3日。ソラのスマホが震えた。
「我々の素性がバレたようだ。以下の名簿に記載された人物の監視しろ。 」
添付された資料には…スカイ、アイリ、リュウの3人の名前が記載されていた。添付資料の下の欄には、「尚、危険因子とみなした場合処分しても構わない」という冷酷な一文が添えられていた。処分…エージェントにとっては何でもない当たり前の言葉だがソラにとっては違う。友達を消す。ソラにとっては重い一言だった。
イレイスで消しても良い、物理的に銃で撃ち殺しても良い…処分という言葉には方法は書かれていない。
「処分対象」になった訳じゃない「監視対象」だ。ソラはそう自分に言い聞かせた。でも、いつ処分対象になったら?不安が襲い吐き気がする。ソラは洗面台に嘔吐した。
「っ…はぁ、はぁ…うっ…」
スマホがまた震えた。リュウからだった。
「前に話したロードについて新しい情報が出た。放課後、部室で話す。」
新しい情報??俺のことがバレたのか?もしスカイに、リュウに、アイリに、エージェントだってバレたら?消すしかないのか?
不安だ押し潰される…吐き気がする。すると、インターホンが鳴った。この時間に来るのは決まって1人…スカイだ。もしこの顔で出たら、スカイのお節介が発動する。いや、お節介で済まないだろう。俺はそれだけは避けたかった。嫌だった。この瞬間だけはスカイに会いたくなかった。
「体調不良で休む」その一言をスカイに送信すると、スカイは玄関先で叫んでいる。
「ちょっと!大丈夫?!」
「…」
居留守を使おうと決心した。
「待ってて!今コンビニいって飲み物とか買ってくるから!!」
スカイは大急ぎで、コンビニへ向かった。
スカイの気配を感じなくなり、つかの間の安らぎを得る。来なくていい。来て欲しくない。来たら何かもがバレる。今日だけは、スカイと一緒にいるのが嫌だった。誰にも会いたくなかった。だが、そんな時間も長くは続かなかった。
5分もしないうちに、スカイは戻ってきたのだった。
「ソラ!開けて!」
チェーンを掛け顔だけ見えるようにして扉を開けた。
「ソラ!」
「…。」
「大丈夫?体調悪い?」
「…、」
「何か言ってよ。…っ。」
ソラはコンビニ袋だけを受け取って、扉を閉めようとする。
「ち、ちょっ!なんで!体調悪いなら、言ってよ。」
「風邪、移すから。」
ソラは早く消えて欲しいと思った。
「悪いなら、悪いって言ってよ。できることあったら言ってよ…!私は…アンタの、ソラの仲間じゃないの?」
スカイは泣きそうだった。いやもう泣いていた。ずっと一緒だった人に突然裏切られた気分だからか。ソラは無言で扉を閉める。スカイはそれを見て怒った。
「もう!ソラなんか、ソラなんか知らない!!」
その声が扉越しにまで聞こえていた。
通学路。いつも2人並んで、笑って話す道も…今日は1人。周りで並んで歩く生徒たちが羨ましい。寂しい。スカイは俯いたまま歩いていた。
「おっはよーございまーす!…あれ?ソラ先輩は?」
「ソラなんか…知らない」
「?」
アイリは二人の間に何があったのか知らない。でも、この空気感がやたらと重かった。
「よっ。あれ?ソラは、休みか?」
スカイは答えない。
「なんかあったのか?」
「…今聞かない方がいいですよ、リュウ先輩。」
リュウは喧嘩でもした程度だと思っている。これ以上は何も聞かなかった。
「悪いが、緊急依頼だ。以前話していた、ロードについてだ。どうやら、ヒーロー組織の人間も数名だが消されているらしい。今や誰がターゲットになっているか分からない。俺たちヒーロー部に与えられた依頼は、その組織の人間を調査することだ。」
「それ!危なくないですか!?」
「分かってる。高校生にさせる内容じゃない。だが、人手不足だ。無理な戦闘は避けること。」
「…。」
ソラがいたら、スカイだって本気を出せたのに。今はそんな気分じゃなかった。
「キャーッ!」
遠くから叫び声が聞こえた。そこには、スーツを着た人間とその周りに兵士がいた。
「お前らは!」
「ヒーロー部の人間か。噂には聞いていたが、本当に子供だったとは…。」
男は何かを考えている。
「悪いが…君たちは処分対象だ。消えてもらう。」
男は指から無数の触手を放ち、兵士たちの背中に突き刺す。兵士たちは意識が乗り移られたようにスカイたちに襲いかかる。
「んだ!その能力!」
「俺の能力はパラサイト。相手の意識を乗っ取り意のままに操る。」
「兵士たちを倒すぞ!」
3人は襲いかかる兵士たちを倒していく。能力が複数人に分散してる為か一人一人が強くない。だがその分、体力の消耗が激しい。
「っ…!キリがねぇ!」
「もうだめ、バテる…!」
3人が息を上げ、その場に立ち止まる。これ以上戦えば無駄に体力を消耗してしまう。
「終わりだ。」
1人の兵士が銃を向ける。もうダメだ、諦めていると兵士を後ろから誰かが射抜いた。
乾いた銃声。重い一撃。男はそれが誰かすぐに分かった。
「遅かったな。エージェント・イレイス。」
「…え。」
そこに居たのはソラだった。いや、今はロードのエージェントだ。
「この子達は俺の獲物だ。勝手に手を出すな。パラサイト」
銃を構えパラサイトと呼ばれる男を睨む。
「そうか。なら、俺たちは手を引こう。任よう。エージェント・イレイス。」
エージェントの制服に身を包んだソラを、3人は眺めている。
「どういう事だ。説明しろ!」
「そ、そうですよ!ロードの人で、エージェントって…意味わかんないですよ!」
ソラは銃を下ろして俯いた。
「俺はずっと、君たちがヒーロー部として活動する前からエージェントとして動いてた。ずっと隠してた。能力犯罪者を捕まえて、倒して、消して…。本当は悪いことしてるって分かってたでも…!でも、居場所はそこしか無かったから…。」
「居場所ならある。 」
スカイが声を出した。
「ここ。…ヒーロー部があなたの居場所だから。」
「もう。俺は、ここにいる資格は無い。」
3人に銃口を向ける。リュウたちの顔付きが変わった。完全に組織の人間なんだ、俺たちヒーロー部の仲間では無かったんだと。
「そうかよ…だったら、ここでぶっ倒してやるよ!」
リュウが波動を腕に纏わせ突撃した。
「バカ言ってねぇで、戻ってこいや!」
「遅い。」
ソラはリュウの攻撃を避け、首筋に鎮静弾を撃ち込む。
「ぐっ… 」
「リュウ先輩!? ソラ先輩何したの!リュウ先輩を起こしてよ!」
アイリにも鎮静弾を撃ち込んだ。
「意識が…」
リュウとアイリがソラの足元に倒れた。
「そ、ソラ…ッ!!?」
「ごめんね。」
スカイの意識が遠のいた…深い意識の海の底で、スカイはソラの陰を追っていた。
「ソラ!…ってここは、」
スカイが目を覚ますと、目の前には知らない天井、知らない壁…まるで牢屋の中にでもいるようだった。
「先輩…おはよう。」
「アイリここは、」
アイリは俯いた。
「分からない…でも、ソラ先輩が連れてきたんじゃ…」
そうだ。あの一瞬の出来事。全員がソラに倒されたあの瞬間。
「チッ、能力が効かねぇ…!」
リュウはスカイが寝ている間にも、何度も何度も開くか試していたらしい、肩から息をしていた。
「おはよう。目が覚めた?」
ソラでは無い見知らぬ声にスカイたちは牢屋の外を見る。
「あなたは…?」
「僕はエージェント:クリア。この極秘管理組織のエージェントだよ。」
「エージェントってなんなの?ロードって何?」
アイリが聞いた。
「極秘だから教えられないなー。あ、でも一言言うなら…君たち能力を常に監視する組織って感じかな。」
「私たちをこれからどうするつもり?殺すの?」
「殺しはしないよ。ただ、キミたちの能力を無にするだけさ…ま!ボスがどういうかだけどね。 」
「無にする…?まさか、能力が無くなるのか?」
「その通り。危ない人に能力は持たせられないからね。」
そのとき、クリアのスマホに通知が鳴る。どうやら『ボス』からの連絡だ。
「…優しいな、ボスは。キミたちは釈放だって。感謝しなよ? 」
笑ってクリアは部屋を出た。クリアと入れ違いで軍服を着た少年が入ってくる。その顔は誰もが知っている顔だった。
「元気?」
「…ソラ。」
ロードのボスとして昇格したソラがそこに立っていた。
「元気?どうかな。俺は今、最悪だよ。」
「そうだろうね。…ごめん。」
「ンで謝んだよ。意味わかんねぇよ…!」
リュウは鉄格子を握り俯いた。
「なぁ…教えてくれよ。お前は、俺たちの味方なのか?」
ソラは黙った。いや言葉を探している。
「沈黙か。なら、それでいい。俺たちを出してくれるんだろ。」
「あぁ。」
ソラは牢を開け看守に入口まで連れて行くように指示した。スカイだけはソラの顔をずっと見ていた。暗い顔、ソラが追い込まれたらする顔。
「…帰ってきてね。」
そう呟いて、スカイは看守について行く。
ロード幹部たちが暗い一室に集まり新リーダーであるソラについて話していた。
「なんであのガキ共を釈放したんだ?甘すぎるだろ。」
パワーは机を殴った。
「ソレがボスの狙いだろう…油断させて意表を突く。恐らくソレが狙いだ。」
パラサイトが足を組んで淡々と話す。だが、どこか不信感や焦りが混じっているようだった。
「まぁ、ボスのやり方に従うだけだよ。」
クリアが笑って話す。
「やり方もクソもねぇだろ!!本来はおめェがリーダーになるはずじゃなかったのか!」
「え、だって僕そういうの苦手だしー。」
クリアが無邪気に笑う。
「なんであれ、彼女たちをあのままにするのは危険だ。我々の手で処分する。」
「ボスのやり方に従えばいいのに…。」
クリアはパラサイトの発言、パワーの苛立ちに居心地の悪さを覚えていた。
「僕はパス。」
出て行ったクリアを誰も追うことは無く、部屋に残された2人は作戦を立て始めた。
コメント
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うわ、第4話めっちゃ重い展開きたね…!ソラの葛藤が生々しくて胸が締め付けられたわ。特に「風邪移すから」って扉閉めるシーン、スカイの気持ち考えると切なすぎる。最後の「帰ってきてね」が刺さった…次どうなるんだろう、めっちゃ気になる!🔥