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声が触れたその瞬間

12 - 第12話-揺るがない気持ち

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2025年04月27日

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ー揺るがない気持ちー


カフェでの深いキスのあと、自由と神谷は、どちらからともなく歩き出していた。

もう言葉はいらなかった。ただ隣を歩く、その温度が安心をくれる。


入野「……ねえ、神谷さん」

神谷「ん?」


入野「さっきの、夢じゃないよね?」


神谷は少し笑って、自由の頭を優しくポンと撫でた。


神谷「夢なら、お前が目を覚ましたとき、俺がまたキスしてやるよ」


自由は顔を赤くしながら、思わず笑ってしまう。

入野「それ、ずるい」


神谷「自由も、ずるいよ。あんな顔されたら……もう、戻れない」


その声は低くて真剣で、どこか切実さすら感じられる。

自由はその声に胸を締め付けられながら、でも嬉しさがじんわりと広がっていく。


歩きながらも、二人の手は自然と絡み合った。

もう、隠す理由も、躊躇う必要もない。


神谷「自由……」


神谷が足を止める。自由もその場で立ち止まり、見上げた。

夜風が少し冷たかったけれど、神谷の瞳はあたたかくて、優しかった。


神谷「好きだよ、お前のこと。本気で」


その真っ直ぐな想いが、自由の胸を撃ち抜く。

答えるように、自由は一歩近づいて、神谷の胸に額を預けた。


入野「……俺も。神谷さんがいないと、もうダメかもしれない」


神谷「じゃあ、離れんなよ」


その言葉に、自由はそっと頷いた。

まるで誓いのように、ふたりの距離はもう二度と離れることのないものになった。






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