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ー揺るがない気持ちー
カフェでの深いキスのあと、自由と神谷は、どちらからともなく歩き出していた。
もう言葉はいらなかった。ただ隣を歩く、その温度が安心をくれる。
入野「……ねえ、神谷さん」
神谷「ん?」
入野「さっきの、夢じゃないよね?」
神谷は少し笑って、自由の頭を優しくポンと撫でた。
神谷「夢なら、お前が目を覚ましたとき、俺がまたキスしてやるよ」
自由は顔を赤くしながら、思わず笑ってしまう。
入野「それ、ずるい」
神谷「自由も、ずるいよ。あんな顔されたら……もう、戻れない」
その声は低くて真剣で、どこか切実さすら感じられる。
自由はその声に胸を締め付けられながら、でも嬉しさがじんわりと広がっていく。
歩きながらも、二人の手は自然と絡み合った。
もう、隠す理由も、躊躇う必要もない。
神谷「自由……」
神谷が足を止める。自由もその場で立ち止まり、見上げた。
夜風が少し冷たかったけれど、神谷の瞳はあたたかくて、優しかった。
神谷「好きだよ、お前のこと。本気で」
その真っ直ぐな想いが、自由の胸を撃ち抜く。
答えるように、自由は一歩近づいて、神谷の胸に額を預けた。
入野「……俺も。神谷さんがいないと、もうダメかもしれない」
神谷「じゃあ、離れんなよ」
その言葉に、自由はそっと頷いた。
まるで誓いのように、ふたりの距離はもう二度と離れることのないものになった。