「で、まずは住居だね。これは地道に掃除するしか無いかなぁ〜。」
ソロモンが溜息混じりに言うと、マレウスは得意げに微笑んだ。
「僕に任せろ。」
一瞬、光が瞬いた。眩い光に、一同は思わず目を瞑る。次に目を開けた時、彼らは目の前の光景に目を見張った。今にも朽ちてしまいそうだった寮は、かつての栄光を取り戻したかのように優雅に居をおろしている。周囲には魔法の残滓がきらきらと舞い、なんとも幻想的であった。
「わぁ〜!! さっすがマレウス! これで住居は問題ないね! あとは……」
「魔法!!」
7兄弟が食い気味に答える。
「あぁ! 忘れてたよ! 君たちが異世界を滅ぼしたりしたらダメだから、魔法は預かってたんだ。レヴィにだけ魔法封じかけるの、忘れちゃったんだけどね♪ ちょっと待ってね。 えいっ!」
ソロモンのもつ水晶玉から様々な色の光が溢れだす。光の粒はソロモンのもとを離れ、兄弟達の周りをくるくると回り出した。光が一際美しく輝いたかと思うと、あるべき場所へ帰るかのように兄弟達の中に吸い込まれていった。
「あー! あと、D.D.D.!! ボク、あれが使えないと生きていけないんだけど〜!! ソロモンなら、なんとか出来るよね〜っ?!」
「あぁ、それは使えるようにしといたよ。こっちに来る時に、シメオンにお願いされたんだ。使えると思うから、開いてみてよ。」
アスモデウスはすぐさまD.D.D.を開いた。
「本当だ〜!!圏外じゃない! これでデビスタも出来るね♡」
「連続ログイン途絶えさせなくてすむってことじゃん!! 圧倒的感謝!!」
「クレカは流石に使えねぇか…どうにかして遊ぶ為の資金を稼がねぇとな…。」
「腹が減った…アクバーは此処まで来てくれないだろうな。」
「眠い…今日はもう疲れた。」
「此処に猫はいるだろうか。いや、それより先に図書館に行きたいな…。」
「お前たち、少し静かにしろ。まだ学園長殿との話が終わっていない。編入手続き等はどうすればよいだろうか? 俺たちがいつまで滞在するかは、ソロモンに聞かねばわからないが、暫く滞在することになりそうだ。」
ことの成り行きをあわあわと見ていたクロウリーは、ルシファーからの問いかけにコホンと小さく一つ咳払いをしてから答えた。
「学園の編入手続きは私がやりましょう。貴方達の年齢はわからないので、クラスは適当に決めさせて頂きますよ。詳しい事は、追々お伝え致しますので。では、改めて。」
『ナイトレイブンカレッジへようこそ!』
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