ヘッドセットから聞こえる紅茶さんの声。それが画面の向こうでどんな表情をしているのか、俺にはわからない。住んでる場所も大学も違うから、こうやって話せるのはインターネット越しだけ。直接会えるのは、たまのオフ会くらいだ。
「紅茶さん、次のオフ会、いつできそう?」
画面を見つめながら、思わず聞いてしまった。こういうことをストレートに聞くのは、ちょっと照れくさいんだけど、次に会えるのがいつなのか気になって仕方なかった。
「そうやな…次はいつ行けるかな。もうちょい先になりそうや」
紅茶さんの返事に、自然と少し気持ちが沈んでしまうのが自分でもわかる。俺たちはたまにしか会えない。せっかく会っても、すぐにまた離れ離れになる。それが、いつも寂しい。
「そっか…まあ、また会えるの楽しみにしてるよ」
寂しさを隠そうと、平静を装ったつもりだった。でも、ほんとはもっとすぐにでも会いたい。
画面越しに紅茶さんのキーボードの音が微かに響く。ふと、オフ会の思い出が頭をよぎる。実際に会うと、普段の通話とは違って、もっと自然に話せる。会えると楽しくて、でも終わってしまうと、その分寂しさが押し寄せてくる。
「ほんま、すぐ行けたらええんやけどな…俺も楽しかったし」
紅茶さんがそう言ってくれると少しだけ心が軽くなる。たとえ距離があっても、ちゃんと同じ気持ちでいてくれることが伝わるからだ。
「僕も…早く会いたい」
自分の声は、少し震えていたかもしれない。普段は強がって、寂しいなんて言わないけど、紅茶さんには言ってしまいたくなる。会いたいし、離れてる時間が長くなるほど、その気持ちは強くなる。
次のオフ会が待ち遠しい。会えない時間が積もるほど、会ったときの喜びが大きくなるのはわかっている。でも、その分だけ、また離れるときの寂しさも大きくなる。それでも、やっぱり会いたいって思うんだ。
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