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テーブルに落ちた翔音の涙
「愛してる」
そんな顔で、どんな気持ちでそれを口にしたのか、俺は分かってしまった。
お前、一人で死ぬ気なんだよな?
俺は、絶対に止めると決めていた。
ここまでの三年、いつ翔音が崩れるのか
いつも気にしていた。
その夜博多のホテルで翔音と身体を重ねた
翔音はいつもと全然違った
俺の身体を掴むその手は、必死だった
離そうとしてるのは自分のくせに
俺に離さないでとその手は訴えていた
翔音が二度目の大きな絶頂を向かえた後
苦しげな呼吸をする翔音に伝えた
「お前が死んだら俺はすぐに後を追う。お前が消えたら、俺はすぐに一番悲惨な形で絶命する」
翔音は目を見開いて俺を見た。
「だ、ダメだよ!!そんなのダメ!!」
俺は、怖かった
翔音が、俺を置いて手の届かない場所へ行こうとしているのが
気がつくと涙が零れていた
「お前が捨てようとしてるその命、俺……に……くれよ」
置いていくな、頼むから
翔音がいない世界なんて、俺は未練なんてないんだ。
「雅弥……なんで?」
「いつも怖かったんだ。計画が進んでる間は、大丈夫かもって思っていたけど、それでも怖かった。
翔音が生きることを辞めてしまうんじゃないかって。だから、見てた。
お前のことを、見落とさないようにいつも。」
「そんなことしないのに」
翔音を、ゆっくり抱き締めた
「でも、今は違うんだろ?そんな一人で逃げるな。どうしてもっていうなら、俺も連れていけ」
翔音は、腕の力を抜いて
俺の抱擁に、身を任せてきた
「……ごめん。逃げようとして、ごめん」
「もう、死のうとしないんだな?」
「……うん。雅弥と生きてみたくなった」