ナチ日帝
「という事で東フランクの名を汚す訳にはいかない。いいな?第三帝国。」
「あゝ、存じ上げていますとも。父さん。」
「父さんではない!”お父様”だッ!!まったく…。この調子で無効は交渉を承諾してくれるのだろうか…?」
この人は私の父に当たる「神聖ローマ帝国」という者だ。そして私こそ東フランクの第三帝国という名の最高傑作の血!!所謂世間一般的に言われるナチスだ。なぜ今こんなに慌ただしいかって?それはそれは東の果てからなんとも油絵の様に美しい御嬢さんが来るっていう話。周りの使用人は料理を作って運んで、そんでもって会場のセッティングに勤しんでいる者もいる。ならば私も歓迎しなければならない。その極東に潜む超傑作という者やらを!!
はぁ、長い長い長旅だった…。5ヶ月前航行の長旅をこの私に課すとは。それでも小さな頃は海の向こうに憧れていた。その憧れの土をこの後踏むというならば知的興奮が収まらない!
「こら、日帝。今から衣装の試着だ。来い。」
「…指図をしてくれるな。見てわからぬか?私は今忙しいのだ。」
「いいから来なさい。一族の運命が関わっている。」
「母よもう一度言う。下がれ。忙しいのだ。」
「…お前のその態度は一体いつ直るんだろうなぁ。本当はこんな事で駄弁っている暇はないのに…。」
私の母親は気が弱い上にお節介だ。そういうふうに育ったのだろう。約二百年以上続いた「江戸」も幕を閉じ、なんとか私がやりくりしている状態だ。このままでは不味いだろう。なので勉強ついでにお見合いに…、という事だ。ある意味自立の一途を辿っているのだろう。だが私は母親からして見たらもう手の負えない数多の問題を抱えている娘。当然の報いだ。ここは謹んでこの運命を受け入れようと思う。
「はぁ、仕方ないねぇ。さぁ、お前達!仕事の時間だ!この娘を更衣室まで連れてゆきな!!」
『はッッ!!』
「ん?お、おい。何をするつもりだ!?寄るな!去れ!!去れぇぇぇぇ!!!」
なんかでかい筋肉の5人がこちらに近づいてきた。数分間の必死の抵抗も虚しくそのまま更衣室に連れてかれた。
「どうしてッ…、!」
「仕方ない事だ、日帝。そもそもの話コレはお前さんが其々の想いを持ってデザインしたドレスだろう?」
「いや長袖って夏暑いだろう?!なぜ夏用も作らなかった?!」
「知らないよ!」
私はもう忘れたが、母親が言うにはベースカラーを担っているベルベット素材の赤。情熱と愛情。そしてサブカラーの黄色は永遠の輝き。リボンの緑は平和と癒し。フリルのラインのとブローチの色は紫。高貴と神秘らしい。なんだかよくわからないが、そう母親が教えてくれた。そしてフランスが仕立てた傑作らしい。
「…もう脱いでよろしいか?」
「しばしまて。靴の調整を行なっている。」
「別によくないか?」
あと数時間でハンブルクに到着というのに。もう待ち遠しくて仕方ない。
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