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「由一ッ!」
自分の部屋で私服に着替えていたら、
高校生にしては少し高めな男子の声がした。
今日は入学式の日だった。
俺と同じ学校に入学した、翔の。
「何ー?」
「あ、良かった起きてた」
「起きてますよ笑」
ひとつ年下なだけだけど、犬みたいに俺を起こしにくる翔は、可愛い。
自然と口角が上がる。
「早くー!」
「今着替えてるから待ってて、翔。」
「うーい」
パタパタと廊下を走っていく音がする。
「…ッほんっとにもう…笑」
昔から変わらないな
俺たちは、小さい頃からずっと一緒にいた。
俺たち全員、親が居なかったんだ。
…正確には捨てられた。
バラバラの場所から保護されて
同じ孤児院で暮らした。
1番年下の廉が中学生になった時から
慶一郎さんが住んでいたこの家でシェアハウスをしている。
いつも通りみんなが待つリビングへと向かう。
「おはよう〜」
「おはよ、由一。」
落ち着いた声で挨拶を返してくれたこの人が慶一郎さん。
背が1番高くて年も上。みんなの兄さん的ポジションな…イケメン((
「亮くんは?まだ起きてない?」
「さっき起こしたからもうそろ来るっしょ!」
こっちは尚人。運動ができる元気っ子。
同じく俺より年上で…背も高い。
というか、俺より背が低い人はいない。
普通に悲しい。
で、亮くんっていうのは、
俺の3つ上の大学生。少し口数が少ないけど誰よりも皆の事をわかってる。
…ちょっとごちゃごちゃしてきたから説明しようかな
戸田 慶一郎 (とだ けいいちろう)
活動名:ケイ
1番年上で背が高い。(大学3年生21歳、185cm)
生まれてすぐに両親を亡くして孤児院にきているため
両親の記憶がない
五十嵐 亮 (いがらし りょう)
活動名:らっしー
大学2年生20歳、178cm
口数が少ないが誰よりもメンバーの事をわかっている
なぜ孤児院にいたのかは誰も知らない
板倉 尚人 (いたくら なおひと)
活動名:なおすけ
高校3年生18歳、175cm
由一と翔と同じ高校に行っている。
血の気が多くてスポーツ万能。
小学生の時に両親が事故で亡くなった。
永井 翔 (ながい しょう)
活動名:ナガイモ
高校1年生16歳、169cm
活発な男子で、犬系。
両親は父親のDVによって離婚しており、その父親は行方不明。
母親は癌を患って翔が小学生の時に亡くなっている。
榊原 廉 (さかきばら れん)
活動名:ヤスマサ
最年少の中学2年生14歳、168cm
少し内気な性格だが
頭が良くて学校ではみんなから慕われている。
シェアハウスのみんなからはものすごく可愛がられている。
そしてさっきも言った通り、
今日は翔の入学式。
俺と尚人は在校生だから行けないけど、他の皆は行くらしい。
正直、暇だ。
「もう翔も高校生かぁ〜ッ」
「俺、尚人とそんなに歳変わらないけど」
「翔が高校生になった記念に配信でもする?」
「いいねぇー!」
俺は毎日のこの騒がしさが、ものすごく好きだった。
戯れあっている尚人と翔
楽しそうにその会話に入る廉
それを包み込むような慶一郎さん
そして…
そんな様子を静かに見守る亮くん
シェアハウスに、優しい春の風が吹いていた。