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俺ら仲良し(?)優しい(?)イケメン(?)三人衆は、たまーに変なことを言い出す。
特に、藤宮は恋愛経験のない所謂童〇と呼ばれる部類だ。
「おっけー、俺ら一生DTな?」という言葉も無視して俺は早々に彼女を作った。そして、また早々にフラれた。それも、いつもの光景だ。
それを見た藤宮は、血迷ったのか、元々ソッチ系だったのかは知らないが彼氏を作り出した。高野は、元々彼女持ちだったが今の所そういう行為に発展することはないらしい。むしろ、そういう行為自体に嫌悪感を持っているらしく興味すらないらしい。
「高野って、昔っからキスまで行ってそこ止まりよな。」
「いや、僕からしたらなんでお前らみたいにそういう行為を求める雄しかいねぇんだよ!」
「藤宮って、彼氏とどういうことしてるんだ?」
「え⋯?いやぁ、一緒に住んで、部活やって楽しんでるよ?」
「ごめんだが、中村は彼女⋯⋯⋯」
俺は踏み込みすぎた藤宮を全身全霊で殴ってぐはっと言った藤宮を放っておくと。隣のクラスから藤宮のことを呼ぶ男子が来た。
「奏斗いねぇ?ちょーっと用があんだけど?」
あ、奏斗というのは藤宮の名前だ。この三人衆は苗字で呼ぶことの方が多い。だが、奏斗だけは無条件で呼ぶ時がある。
「あぁ、奏斗はいまここにいるけど⋯」
もしかしたら、彼氏か?いや、にしてもヤンキーと藤宮っていう組み合わせは予想していなかった。⋯⋯意外といいかもしれない。なんて思ってしまった腐男子の血を恨みつつ藤宮をそいつに渡した。
「あー、またな!お前ら!」
「あぁ、また後でな。」
笑顔になった藤宮を見て何故か嫉妬してしまった。そして、結局
「やっぱり、恋愛ってコスパ悪いよな。」
なんて、思ってもいないことを口に出した。それを聞いた高野は頷き
「うん、黙れ罪深き非モテ残念イケメンがよ。」
と、俺のハートにとんでもないナイフをを突き刺した。恋愛が出来ない人の戯言かのように思うが、幸せそうな藤宮を見ては不思議な感情を得るんだ。
帰ってきた藤宮を見たら少し制服がはだけていた。それを見た空気の読めない高野が「ヤッてきた?」と、言い出した。それを聞いた俺は思わず高野の頭を殴ってしまった。
「んーん。学校でされるわけないだろ。」
「へぇ、学校じゃなかったらしてるんだ。しかもされる方で」
「んなっ⋯!?!?」
うん、ご馳走様です。いやいや、高野の直球的な表現に腹を立てつつ興味を持って聞いていた。藤宮に攻めは不似合い、別に童顔って訳でも無いがなんとなーくそう感じる。
「中村にとってお前らの存在は栄養でしかないだろ。もっと聞きたいことあるだろ?」
「いや、別にお前らのそういうのは興味無い。てか、一生DTなんだろ?」
そう言うと藤宮は黙ってしまった。うん、更にご馳走様。処女だけ奪われて可哀想に⋯⋯一生童〇で居てくれ。(強め願望)(左右固定過激派)
#藤宮右固定、というアホみたいなタグをX(旧Twitter)に流すことも手慣れてしまった。イツメンのそういう事情を妄想することも聞くことも好きだ。
だから、恋愛はコスパは悪いけれど俺にとっては幸せを感じる瞬間でもある、100%の強がり、または、200%の興味から恋愛ってものは素敵だななんて思ってしまうのだ。
「藤宮も、高野も、どんな形であれども幸せでいろよ!」
「なんだよ急に、気持ちわりぃな笑」
「ふはは笑、中村もな!恋愛だけじゃねーから!」
こんな熱い話も唐突に始まる。今日も俺らは男子校内で些細な幸せに溺れた。こんな日常が永遠に続けばなんて思ってしまう。
彼女なんていらない、お前らが居ればいい。そんな、青々としたセリフなんて言えるはずもなく。水筒のお茶を一気飲みしてその想いを隠した。