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さっき話していた男共は誰だ?奏斗の友達か?奏斗は⋯⋯友達がいるのか。
「んだよっ⋯⋯急っ⋯に!」
奏斗は涙目になりつつ、オレの手を振り払おうと力いっぱい振り回す。だが、それも虚しくオレの手中に納まった。あぁ、こんな可愛いのにもったいない。かけている丸メガネを外すと水色の瞳がハッキリと見えた。照れるように顔を手で隠す。その仕草はまるでオレを拒絶しているみたいだった。
「ど、どうしたんだよ⋯⋯俺、なんかしたか?」
震える唇を噛み締め、あいつらについて聞いた。
「あ、あぁ、ただの友達!すっげーおもしれーヤツらなんだ!!今度、岳にも紹介しようか?」
「友達か⋯⋯お前のことを傷つけていたように見えたが?」
「んはは笑ノリってやつだろ?ノリ」
どこがノリだよ。オレからしたら奏斗に触れている時点で敵、アウト確定なんだよ。あんな奴らに好き勝手される筋合いはない。だが、こいつの笑顔を見ていると突き放すことは不可能な気もしてくる。
「⋯⋯オレは嫌だ。奏斗が他のヤツのものになるなんて⋯⋯くそっ⋯」
奏斗、大人しく俺のものになれ。なんて、言えるはずもなく
「いや、奏斗、もう戻って⋯⋯」
と、嘘をつき続けることになった。
「⋯⋯あ、うん!分かった。」
そう言う奏斗はオレを抱きしめて
「岳、大好き。行ってきます。」
と、去っていった。それをただ、見つめるだけで何も出来なかった。
「くそっ、こんなこと⋯オレは望んでねぇよ⋯!」
こんな嫉妬心が芽生えるくらいならいっその事嫌いで居させて欲しかった。