【shp side】
ci「…shoくん、やっけ。」
車の中でtnさんたちを待つ間、ciはそう、独り言のようにつぶやいた。
shp「そうやけど…どないした?」
俺が答えると、ciは心配そうに俺を見て言った。
ci「俺らに、なついてくれるかな、?」
shoさんと会ったのは数日前。
俺とciが学校から帰る途中、薄手の服で外を歩いていた。
話しかけると、shoさんは怯えた目でこちらを見るだけで、何も喋らなかった。
俺らはそれがどうにも気になった。
shoさんを家に帰した後、俺らは家に帰り、shoさんのことをtnさんやut先生に話した。
tnさんたちは俺らの話を聞いて「もしかしたら施設の子なのではないか」とあたりをつけてくれた。
その次の日、俺らは施設に足を運んだ。
するといたんだ、shoさんが。
ciはshoさんを見つけるなり、「この子、養子として引き取ろうや!!!」と言い出した。
俺とciの間に沈黙が走る。
すると、後部座席のドアが開いた。
rbr「真ん中のせてやってくれ」
rbrさんの後ろには先ほど俺らが話していたshoさんが隠れている。
ci「は~い、真ん中どうぞ、!」
ciが一度車から降り、shoさんが座りやすいように真ん中への通路を開ける。
shoさんは少しおどおどした様子で車に乗る。
そして自身の膝の上に黄色のランドセルを置く。
そのランドセルは結構ぼろぼろで、所々故意に傷つけられたであろう傷があった。
shoさんはそのランドセルを大事そうに抱えている。
tn「みんな、乗ったかー?出すでー?」
運転席からtnさんが俺らの様子を見る。
そして車は発進した。
ふと、職員に見せられたshoさんの情報を思い出す。
あぁいう施設に入っている子どもは様々な事情があるため、その情報がすべて紙で厳重保管されているらしい。
shoさんの紙には「被虐待児、不登校気味」と書かれていた。
※被虐待児…虐待の被害を受けた子どものこと。
長年にわたる実親からの虐待のせいで、物事に無関心になり、感情も表に出せないそうだ。
時々ぼーっとしている事も多いらしく、家ではしっかりと見てあげてくださいと言われた事を思い出す。
隣に座るshoさんを見ると、すでにぼーっとしていた。
コメント
1件