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お昼。C組の恋弁(れんか)と風善(ふうぜん)がD組に来て一緒にお昼ご飯を食べることに。
「1時間目の授業のときさ、1年生かな?体育してたのよ」
糸が恋弁、ヨルコに言う。
「うん」
「へぇ〜」
「でね?コーミヤ(黄葉ノ宮高校の略称)…あ、コーミヤってわかる?恋弁はわかると思うけど」
「わかる」
「私もわかるよ」
「おぉ、知ってんだ?で、そのコーミヤ生(黄葉ノ宮高校の生徒の略称)が校庭覗いててさ」
「マジ?」
恋弁が静かに驚く。
「マジマジ。さすがコーミヤ。ヤベェなって思ったら彼女の顔見に来たみたいでさ」
「マジ?」
また恋弁が静かに驚く。
「たぶんマジ」
と言う糸に
たぶんかマジ。どっちだよ
と心の中でツッコむ嶺杏(れあ)。
「でもさぁ〜?他校恋愛ってどうなんだろ?」
「他校恋愛っていうん?」
「ん?知らんけど」
知らんのかい
と心の中でツッコむ嶺杏。
「でもさ。マジで他校に彼ピがいるってどんなんなんだろ」
「彼ピ」
「彼ピ」
「彼ピ」
糸以外の全員が引っかかるが糸は構わず続ける。
「あんなピン、あ!そう!その彼氏、髪がさ、ヨルコみたいに綺麗なピンクでさ」
「へぇ〜」
私と同じかな?
と思うヨルコ。
「あんな髪ピンクなチャラ男が彼氏で、しかも他校って心配じゃないんかな?浮気とか」
「たしかに」
と考える恋弁。
「今の言い方だとヨルコもチャラいみたいになるけどね」
と言う嶺杏。
「嘘?」
「ま、そんなつもr」
「そんなつもりじゃないからねぇ〜!?ごめんね!?ヨルコォ〜」
嶺杏の言葉に被せるように身を乗り出してヨルコに迫り言う糸。
「あ、いや。全然大丈夫だよ」
「私なら…無理…」
考えていた恋弁がポツリと呟く。
「だよねぇ〜」
とイスに座り直しながら同意する糸。
「なにがいいんだろ。他校恋愛。ってかそもそも話、他校の生徒とどこで出会うわけ?」
「幼馴染とか」
「少女漫画かよ」
「それくらいしかなくない?」
「中学で付き合って高校でも、みたいな」
「あぁ〜ね。それはあるかも」
糸がうんうん頷き納得する。
「でもさ、中学で付き合ってたら同じ高校行くのが自然じゃない?」
と嶺杏が言う。
「!たしかに…」
気づいたような顔、ハッっとしたような顔をして納得し、考え込む糸。
「そっか…」
恋弁も考える。
「一緒に受験勉強したりね」
とヨルコが言う。
「あぁ!いいねぇ〜!青春だねぇ〜」
糸が盛り上がる。
「彼女が頭良いパターン?」
「彼氏に教えてもらうのもいいよねぇ〜」
「ヨルコォ〜。いいじゃないのぉ〜」
「そお?」
「ヨルコ恋バナになると会話入ってこないから、苦手なんかと思ってた」
「ううん。みんなが話してるのを聞くのが好きなだけ」
「なんだよぉ〜。いい女かよぉ〜」
「なんでだろ…」
そんな中考える続ける嶺杏と恋弁。
「志望校が違った?」
「いや、まあ、それはあるだろうけど、カレカノだったら合わせない?」
「だよね。私が…」
「ふーと付き合ってたら」と言いかけて言い留まる恋弁。
「私だったら合わせる」
「だよね」
「合コンっ。とか!」
糸が嶺杏と恋弁の会議の入り込む。
「合コン?」
「合コン!合…なんとかコンパ」
「合同コンパね」
「それ!合コンで知り合いました!的な」
「なんで合コン?コーミヤも共学だし、うちも共学。合コンする意味なくない?」
嶺杏が冷静に言う。
「そうだよねぇ〜…。タイプの子がいなかった。とか」
「あぁ〜。ま、それなら」
と女子陣は恋バナで盛り上がっていた。
「オレ、金髪にしようかな」
一方男子陣は雲善(うんぜん)の唐突で意味不明な発言に名良(なら)、琴道(ことみち)、風善(ふうぜん)が
おぉ。また変な話が始まった
と思っていた。
「どーしたの急に」
とほぼ興味はないが、多少は興味があるのでなんともいえない顔で、なんともいえない言い方で名良が言う。
「いやさ。さっき女楽国(にょたくに)たちが「コーミヤのピンク髪の男子がー」って話してるの聞こえてさ。
オレも髪色派手にしたら目立つかなって。このイケメン具合が」
「でもその話の流れ的にはピンクにすべきなんじゃないの?」
「髪ピンクとか。二次元の可愛い女の子かイケメン女子か
イケメン男子か可愛い男子にしか許されていない特権」
「総合するとマンガ、アニメのキャラでしか許されないってことね?」
もはや雲善の自ら言う「イケメン」というのにはツッコまず会話を進めていく名良、琴道、風善。
「さすがにピンクはね?オレの好きな色じゃないし」
「雲善の好きな色なんなの?」
「んん〜…。黒?」
「…」
「…」
「…」
もはやツッコむ気力すら削がれる3人。
「って黒だったら染める意味ねーっつーのー!」
とセルフツッコミを笑いながらする雲善。
「ふーは?好きな色なに?やっぱ双子だから黒?」
「いや?オレは白かな」
「あ、へぇ〜、対極だ」
「ある意味双子感あるけどね」
「たしかに。あ、そういえばバスケのぉ〜…練習着?も白だもんね」
「あ、そうそう。小さい頃から同じ服着せられてたんだけど
兄ちゃんが外で遊んで服汚すってんで兄ちゃんは黒系の服が多くなって
オレが白系の服が多くなって、自然と好きになった感じかな?」
「なるほどね?」
「そっか。オレが黒好きになったのは刷り込みだったのか」
「お。雲善、刷り込みなんて難しい言葉知ってるんだ」
「名良くん?オレのこと舐めすぎじゃね?」
なんて話してお昼ご飯を食べ終え、しばしのお昼休み。
「でもさ。さっきの話の続きだけど」
「ん?」
「なに?」
「ほら。オレが金髪にするって話」
4人で同じパーティーゲーム「ゼリーバトルパーテー」というゲームをしていた。
「あ、その話生きてたんだ」
画面を見ながら言う名良。
「生きてる生きてる」
「夏休みとかにすれば?」
風善が画面を見ながら言う。
「夏休みかぁ〜。でも夏休みだと目立たなくない?」
「兄ちゃん。兄ちゃんの番」
「あぁ。ごめんごめん」
雲善が画面を見てプレイする。
「でもさぁ〜…。ほい。…あっぶな。…金髪…みんなに会えるときにしないとっ。目立たないでしょ」
ミニゲームをプレイしながら言う雲善。
「ま、オレは止めないけど、母さんとか普通に止めるんじゃない?
あと普通に先生たちに怒られると思う」
と風善が言うと
「悪目立ちはできるかも」
と横で琴道が呟く。
「ふっ。うまいこと言うね」
風善が笑う。
「たしかに」
名良も笑いながら同意する。
「おい!誰っ…あっ」
ツッコもうとして一瞬琴道のほうを見て「あっ」っと気づいて画面を見たら「JELLY POPS」と出ていた。
この「JELLY POPS」とは、このパーティーゲーム「ゼリーバトルパーテー」において
他のゲームの「GAME OVER」と同意である。
「はいぃ〜。雲善追加ポイントなしぃ〜」
「今のなしじゃね?琴道に妨害されたし!」
「琴道は妨害してないよ」
「おもしろいこと言っただけだよ」
「おもしろいことってなぁ〜…」
「3人でポイント分けレース始まるよ」
「うっし。琴道。一緒にふーを妨害しよう。ふー頭良いから」
「頭良くないよ」
「っしゃー!オレは全員ゴールさせないからな!ゴールして追加ポイントなんて取らせてたまるか!」
とパーティーゲームで盛り上がっていた。
本当は持ってきてはいけないゲーム機でお昼休みを過ごし、午後の授業へ。
雲善はシャーペンを持ち、考えているようなポーズで寝ており
琴道はちゃんと授業を受けていて、名良は眠気と戦っていた。
眠気と戦っていたのは糸も同じ。いや、糸の場合はほぼ負けており
嶺杏の加勢によって眠気から一瞬離脱してまた戦い、負けそうになったら
また嶺杏の加勢で戦線復帰というのを繰り返していた。
ヨルコは名良が眠気と戦っているのを見て微笑んでいた。
「ぬっしゃー!帰るぞぉー!」
「なんで学校終わると眠気も飛ぶんだこいつ」
元気よく伸び上がる糸を見ながら呟く嶺杏。
他のクラスも授業が終わったようで、他クラスの生徒が入ってきていたり、わちゃわちゃ賑わい始めていた。
恋弁もヨルコと合流しており、ヨルコの元に糸も嶺杏も合流していた。
風善も雲善、名良と合流しており、そこに琴道も合流した。
「あ、そうだ。女楽国」
雲善が糸に話しかける。
「ん?なに?私?」
「おん。女楽国なんて苗字、このクラスじゃなくてもこの学校でも。てか東京でも女楽国くらいだろ」
「いや、女楽国さんのご家族も同じ苗字でしょ」
と言う琴道に笑う周囲。
「奥田くん。いいね」
嶺杏がクスッっと笑って琴道に向かって親指を立てる。
「琴道はさらっとおもしろいこと言うからね」
風善が微笑みながら言う。
「で?なに?」
「あぁ。そうそう。今度の土日どっちか空いてね?」
唐突な言葉に全員が無言になる。言われた本人の糸はもちろん
琴道も風善も嶺杏も名良も「へ?」という表情になる。ヨルコだけは「ハアァ〜!」っと目を輝かせていた。
「なっ!なな!なんでよ!」
「え?いや、姉ちゃんに頼まれて」
「…は?」
「いや、姉ちゃんさ「MVP」ってアイドルグループ?が好きなんだけどさ
そのチケットが当たるっていうキャンペーンやってる店があって、スマホで抽選1人1回なんだってさ」
「で?男子メンバーで行きゃーいいじゃん」
「そりゃー行くけど…。女楽国がいてほしいんだよ…」
という唐突な言葉にまた全員黙り込む。
言われた張本人である糸は徐々に顔を赤くしていき、ヨルコは「キャァー!」っと静かに感激していた。
「な!なに急に!…ちゃんと言ってもらわないとわかんないんだけど…」
ここで?
と思う嶺杏と恋弁。そう言われた雲善も言いづらそうに後頭部を掻いて
「…。必要なんだよ。女楽国が…」
と呟く。「キャー!」と声には出さずとも感激するヨルコ。
「男だけだと頼みづらいメニューなんだよ」
「…。は?」
糸だけでなく琴道、名良、嶺杏、恋弁も
は?
だった。
「ごめんなさい。兄ちゃん言葉足らずで」
居た堪れず風善が割って入り、糸に謝る。
「あ、いや。風善くんが謝らなくても…。え。どーゆーこと?」
風善が説明する。
「実は姉が好きなボーイズグループ「MVP」っていうグループが女性ファンの多いグループでして
その「MVP」がとあるカフェでコラボを行ってまして、女性ファンが多いため、女性用に作られたメニューで
男子だけで頼むのは気が引けるというか…。たぶん兄ちゃんはそれで女楽国さんを」
「それ!さすがは我が弟よ!よくできた弟だ!兄に似て」
どこがだよ
と思う琴道、名良、嶺杏、恋弁。
「…あぁ…そーゆーことですか…」
「で?土日どっち空いてる?」
と笑顔で聞く雲善に
「空いてません。どちらも空いてません。他あたってくださいさようなら」
と無表情で言って帰ろうとする糸。
「じゃあ!」
とヨルコが人差し指を立てて提案する。
「みんなで行くってのはどうですか?」
ということで今度の日曜日に糸、雲善、風善、琴道
名良、嶺杏、恋弁、ヨルコの8人で出掛けることが決定した。