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これはとある少女の話
これは呪われた少女の話
これは人外の世界に生まれた少女の話
これは…
運命に抗う少女の話
とてもよく晴れた晴天の日に僕は生まれたらしい覚えているのは音だけだが、あとから沢山教えてもらった
(ダンダンダンッ!!!)
ドアを激しく叩く音が聞こえる
「生まれたか!どうなった!」低く唸るような声父の声なのだろう父はハッと息を飲む
「ろ、ローズ……」
そう零した父の声は酷く寂しそうで、僕が唯一父の穏やかで静かな声を聞いた瞬間だった後にも先にもこの1度だけ、
「王様、…大変申し上げにくいのですが、お后様は…」誰かが言う、
「いい、ローズも覚悟の上だった、生まれた子は?、ローズにきっと似ているんだろう」
「それが…」誰かが、続ける
「は、」父の怒りの籠った声をここからずっと聞き続けることになる
この国では白狼と黒狼の2匹のどちらかが王位を次ぐことになっていた
王位を着くのは能力の高い方である
そして、唯一縁起が悪いとされていたのは黒狼の女の子である
何やらかつて黒狼の女が国を破滅一歩手前まで追い込んだだとか呪われているだとかなんだとか、
今この国の王、つまり父は黒狼でも白狼でもなかった、国の繁栄、安泰には今すぐどちらかが必要であり産まれてもすぐ王になれるわけが無いからただでさえ時間が必要だと言うのに、産まれてきたのはその呪いの子
全くいい迷惑だ、だが、父が怒り狂うのも無理は無い、父には3人の妻がいたその3人の妻の中で最も愛した母を呪いの子を産んだことにより亡くしたのだから………
僕は、名を与えられなかった
我々種族は生みの親、または配偶者にしか名前を与えて貰えず、名が無ければ魔力が安定せず大変危険だった、ストリートチルドレンでさえ産まれてすぐ名を与えて貰えるというのに、
僕は、男の子が産まれたということにされた、でも死んだ者とされた、顔は母にそっくりだと、
僕は気がついた時には冷たい寒い牢屋の中だったご飯は3日に1度、カビた黒いパンと変な匂いと色をしたスープだけ、父は機嫌が悪い日にだけ僕に会いに来た、会いに来ては僕を
それでも僕は死ななかった、目が覚めた時には傷が癒えていた、父は「こいつの事をなぜ殺せない!殺しても呪いが来るからか?」等と言っていた、そんなの知らない、僕が知るはずもない、ただ死んだように生きるそれだけだった
でもある日知らない声が僕に声をかけた
その日も父に殴られ蹴られ気を失っていた、気がつけば全く知らない場所にいる暗くて、でもキラキラと光る粒が沢山浮かんでいる空間だった、
「よう、生きてるか?」
「大丈夫生きてる、縁起でもない事言うのやめて」
「まぁまぁ、2人とも子供の前なんだから」
3人僕の前、いや、頭の中に現れた
不意に何故だか頭の中だとわかったと同時に、
あぁこの人達は安全だ、そう確信した
だれ?
問いかけた、僕とそっくりの長髪の男は言った「ん〜、双子だけど双子じゃねぇし〜50歳差だし、兄ちゃん、とかになるんじゃねぇかな」と、手を伸ばしてきた、咄嗟に殴られる時の体制に入り目を瞑った痛いのはもうごめんだ、でも、いつまで経っても覚悟していた痛みは来ず、恐る恐る目を開けた
悲しそうな笑みを僕は初めて見た、そして優しく僕の頭をワシャワシャとした、何故だろう、寒かった部屋が暖かくて、ふわふわするのだ、
奥から長髪の女が言った
「それならアタシもお姉ちゃんかな?」
メガネの男も
「なら、俺も兄ちゃんか?」
と続く、
長髪のお兄ちゃんはローク
お姉ちゃんはレイ
メガネのお兄ちゃんはライア
と名乗った
僕の名前は?
ロークは笑って「後に誰かが着けてくれる」と笑った