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目の前には破かれたknの絵…
段々瞼が落ちていく…
…寒い……助けて…
あの日眠りにつき次の日の朝、naが学校へ向かうとnaの部屋に複数の大人達が入ってきた…
『あの時…あの子の側にお前がいなければ…』
俺はnaの母親だと気付き必死で謝る。しかし俺の言葉なんて届くはずもなく…俺は無理矢理どこか別の場所に連れていかれる。
辿り着いた先は厨房のさらに奥…暗く冷たい場所だった。俺は背中を押されてその場に残される。
『あんたなんてこの世からいなくなればいい…』
そう言い残すと目の前でknに描いてもらった絵をちぎり始める…何度も何度も…元通りになんてできない程に。
ガチャ…
大人達が扉を閉める。真っ暗で寒い…何も見えない…俺は手探りで絵がちぎられた場所を探す。手元に触れる紙の感触…ばらばらになったそれらを必死で集める。
段々体が冷えてくる…何も考えられなくなる。俺は集めた絵を抱きしめて横になる。俺はきっとここで終わる、終わるのにna達の顔が思い浮かぶ。
“死にたくない”
心の中で“助けて”と叫ぶ…
瞼が落ちていくのがわかる…
ガチャ…
?「大丈夫か?」
sh「……。」
?「くそっ、まだ間に合うはずだ。」
…なんだろう、すごく暖かい。
不思議と意識が戻ってくる。ゆっくりと目を開けると知らない天井が見える。
sh「え…俺…死んだんじゃ…」
?「死なせてたまるかよ。」
sh「!?」
?「びっくりさせてごめんな。温かい飲み物でも飲むか?」
目の前にはシェフみたいな格好の男性がいた。差し出された飲み物を手に取り口に入れる。
sh「…温かい…。」
?「すぐに助けてやれなくてすまん。」
sh「た、助けてくれたんですか?」
?「…いくら何でもやりすぎだからな。こんな子供に…。」
sh「あり…ふっ…とう…ございますっ」
?「怖かったよな。」
優しく背中を撫でられ俺は更に涙を流した。皆んな今までは自分が手を下すのは嫌だからだろう、ある程度の暴力しかしてこなかった。
けど、今回は本当に初めて死を実感した…。俺に向けていた憎しみの目も今までのどの大人達より怖くて強いものだった。
sh「俺…お、れ…」
?「あぁ…君は悪くない…たまたまその目で生まれてきただけだ。ただそれだけなんだよ。」
sh「ふぅっ…うっ…なんで…っ」
俺は泣き続ける。そんな俺の頭を優しく隣で撫でてくれていた。大きな大人の手、今まで殴られる事しか無かった俺にとっては怖くもあるが今撫でられている手はとても温かくて少し安心する。
ピピピ…
?「さ、そろそろ俺は出ないとだから…。君はここにいてていいよ。俺しか使ってないし誰も入ってこない。また用事が済んだら戻ってくるから。」
男性は扉を開けて出て行ってしまった。信じていいのだろうか…でも今はあの人を信じるしかない。