「いっけな〜い!!遅刻遅刻〜!!」
何処か少女漫画が始まりそうな勢いでマナが来る。この人会長なのに何してるんだ、という視線で見つめる。何故だか知らないけどライいないし。
「マナち遅い〜!」
どっかの赤髪ぎゃうものっかる。
「ライ来とるやろ?」
え?という雰囲気が流れる。
「いや来てないけど。マナ一緒にいたんだから知らねぇの?」
マナの目が明らかに泳いでポケットに手を突っ込む。
「もしもし!?今どこおるん!?」
どっかの陸上選手もびっくりの速度でスマホを取り出し電話をしている。
《どこってつえー公園でしょ?》
声がでかいせいか普通に声が漏れて聞こえる。
「はぁぁ!?!?つえー駅な!!!まじなにしてんねん!!!」
《はァァ!?オレつえー公園って聞いたんだけど!?》
「言い訳するなら足動かせ〜」
リトも野次を飛ばす。公園から駅だと走ると5分だろうか。マナの荷物の量的に絶対にライの入ってるし。足速いし多分行けるでしょ。
「新幹線20分後ですよ〜」
まぁ俺優しいんで誰か遅刻すること読みで早く時間教えときましたよ。まぁ俺の𝑩𝒐𝒚𝒇𝒓𝒊𝒆𝒏𝒅の狼とかね。まぁ現に叩き起さないと寝てたレベルで眠そうに俺の横座ってますし。朝早い分新幹線の中で沢山寝れるのでwin-winじゃないですか?るべちてんさーい
「すいませんでしたーー!!」
スライディング土下座でもかますのかという勢いでライが走ってくる。
「ちょっと遅い〜」「カゲツきゅん寝てるんだけど〜」「あーし眠い〜」
なんかギャル多い気がするがみんながふざけ出す。
「ちょっと!!やめて!!」
「私のライ虐めないで!!」
東の人達が笑い出す。なぜ東というのか。俺たちの学校ではクラスが多い為大きな校舎を東と西で分けられておりちょうど東と西で4:4になっているのだ。故に東と西で特有の流れもあったりする。
「学級委員来たか」
眠そうにしていたはずなのに普通に呟いた。まぁここまで騒がしいと起きるのも普通なのかもしれない。忍者の里出身とか言ってたカゲツは爆睡だが。忍者としてどうなんだ。
「マナ…トゥンク」
某理系恋愛ソングの一部のようにトゥンクしている。
「ライ…」
マナがライの顎を持ち上げる。
「同じ身長で顎クイしても意味ねぇだろ」
どっからかものすごい槍が飛んできて爆笑の渦に巻き込まれる。朝9時なのに元気すぎるだろ。
「はーっ…そろそろ行きません?」
「せやな〜あ〜まじ笑い過ぎた」
「ねぇ!?カゲツきゅん起きないんだけど!?」
「は!?叩き起こせ!」
「可哀想じゃん🥺」
「んな事言ってたらチケット無理だろ」
「ん〜仕方ないなぁ」
まだ起きてなかったのか。こんな騒がしかったらさすがに小柳くんでも起きますよ。
新幹線乗り場までは道が分からなかったが何故だか新幹線なら慣れてからと自信満々なライに着いていくと本当に乗り場まで着いた。チケットは態々高い金を出して指定席を買ったので席がなくて立つとかは無かった。ここから目当ての駅までは数時間。しばらく景色を眺めていると眠くなってきた。こういうので寝ることはあまりないが今後元気に遊ぶように早めに寝よう。
「かわいーやつ。おやすみ」
コメント
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最高ですありがとうございます