『お揃い』
自傷行為、病み、号泣あり
お互いのことを愛している程度のBLも入ります(🔞表現、受け攻め等は無し)
💎🐇メイン(🍣🦁出てきません)
学パロ
💎side
初兎ちゃんのことがすき
幼稚園の頃から、初兎ちゃんが転園してきた時からずっと、
でも最近はなんだか冷たい
だから僕は…
🐇side
僕はいむくんのことが好きだ
でも最近は恥ずかしくなってしまい少し冷たい態度を取ってしまう
こんな自分に嫌気がさす
しゅーっ…しゅっ……ざくっ、しゅーっ
…..ぽた……ぽた
こんなことをして一体なんの意味があるのか
いむくんにバレたらきっと嫌われる
翌日
ぴんぽーん
いつも通りいむくんの家のインターホンを鳴らす
いむくんの家は6階、エレベーターが故障していて階段で登ってきた
切りすぎたせいなのか階段を登ったせいなのか少しクラクラしてしまう
がちゃ
💎「ん、ごめん…」
🐇「いや全然…!」
💎side
昨日の夜に切った傷が今更痛む
切る時は痛くなかったのに…
🐇「…はぁ、」
初兎ちゃんのため息で一気に不安に駆られてしまう
僕のせいかな?なんかしちゃったのかもしれない
💎「ッ、ごめ…泣」
ただ謝ろうとしただけなのに目に涙が溜まる
🐇「ッぁ、いやちが…、」(膝から崩れ落ちる)
🐇「きらわなぁでっ、おねが…泣」
💎「…僕なんて居ない方がいい?」
🐇side
そんなつもりはなかった
ただ自分の人生に疲れていただけ
ごめんなさい
💎「…何も言わないの?」
💎「僕なんて居ない方がいいよね」
そういって荷物を床に置き目の前の階段から身を乗り出すいむくん
カバンに着いていたお揃いのキーホルダーが外れた
止めたいけど俺に止める資格なんてきっとない
このまま一緒に楽になった方が幸せなのかもしれない
🐇「まってやッ、!」
反射的に出た言葉だった
自分でも思わずびっくりしてしまった
💎「…ごめん、」
ゆっくりとこっちへ戻ってくるいむくん
良かった…?
💎side
何をしてるんだろ…
ごめんなさい、初兎ちゃん
🐇「…な、なぁ」
🐇「話、聞くで」
💎「違うの、違うから…」
🐇side
そういって笑顔を無理矢理作ろうとするいむくんの頬には涙が伝っていた
🐇「今日は学校休も、な?」
💎「大丈夫、学校…行く」
ほんとは自分のことで精一杯
僕もこのまま死んでしまいたい
でもいむくんにだけは生きて欲しい、好きやから
🐇「…行くか、」
そう言って落ちたキーホルダーを回収して学校へと向かった
通学路では一言も話さなかった
クラス同じだからこそ余計気まずい
💎side 授業中
初兎ちゃんのことが頭から離れない、苦しい
授業中だというのに涙が溢れてしまいそう
初兎ちゃんのことが好きなのに振り向いて貰えない苦しさ、諦めた方がいい恋なのに諦められない悔しさ
辛い、苦しい
🐇side
授業中だけどいむくんのことを見てしまう
いむくんは前の方の席だから僕に気付くことはないだろう
なんて考えていたらい突然いむくんが手を挙げた
💎「せ、んせ…きもちわるっ、」
💎「といれ、」
よく見るともう片方の手では口を覆っていた
💎「ッ、ごめんさっ」(席を立つ)
先生「保健委員付き添いいけるかー?」
このクラスの保健委員は俺だ
気まずさが勝つが体調不良はしょうがない
教室のドアの前でしゃがみ込んでしまったいむくんに慌てて近寄る
🐇「気持ち悪い?」
🐇「トイレ間に合う?」
💎「ッ、泣」(首を振る)
🐇「大丈夫やから泣かんといて」
🐇「そこの水道行けるだけ行こっか」
喉付近まで胃の中の物がこみあがってきていそうないむくん
きっともう歩くことは出来ないと思いゆっくりとだっこをする
まだ水道にはついていないがいむくんが吐きそうなので降ろすことにした
💎「ん”…っ、…..ごぽっ」
🐇「一旦降ろすで」
ゆっくりといむくんのことを降ろす
水道までは約5m
普段なら数秒で行ける距離なのに
🐇「もう無理やろ?」
🐇「吐いてまお」
胃の中の物が口まで上がってきたのか口をパンパンにさせている
💎「ん”…ッ、…」
口の中に留めているとはいえ胃の中は空になったようで吐き気がなくなったのかゆっくりと歩き出して水道へと向かっている
🐇「水道行きたいんやな」
🐇「間に合わんかったらその場で出し」
案外我慢できたようであっという間に水道へとついた
でも水道についた途端ダムが決壊したかのように口から吐物が溢れ出した
べちゃっ…びちゃ…
💎「んぇ”っ、げぇっ…おぇ”ぇ”…」
びしゃっべちゃ…べちゃ
直前まで口を左手で抑えていたようで左腕には吐物が軽く伝っている
🐇「気持ち悪いの全部出そうな」(背中をさする)
💎side
自分が情けない
初兎ちゃんのせいでこんなになっていること
だけどそんな初兎ちゃんに看護されていること
本当に情けない
でも出しても出しても胃の中の物が溢れてくる苦しさが勝ってしまう
助けてほしい
🐇「大丈夫、大丈夫…」
💎「ッ、おえ”っ…」
まだ出ると思っていたのに今度はえずいただけ
胃の中の物が全部出たのかと安堵し体の力を抜いてしまう
そんな自分にびっくりして目をつぶってしまった
🐇「うおっ」
初兎ちゃんの体温が伝わる
ゆっくりと目を開ける
心配そうな表情の初兎ちゃん
🐇「全部出た?」
💎「ん、」
緊張からなのか思うように声が出ない
🐇side
🐇「いつから体調悪かった?朝?」
💎「…さっ、き」
💎「くるしかった」
🐇「ん?苦しかった?」
💎「すきなひとのこと…かんがえてた」
💎「ふりむいてもらえなくて….くるしかったの」
いむくんは可愛い
こんな乙女みたいな子、他には居ないだろう
でも僕以外の人を見てるなんて許したくない
🐇「じゃあ病気とか感染症ではなさそうなんやな?」
💎「たぶん…」
少し僕の服にもかかったから安心した
絶対に風邪を貰いたくない
🐇「ここ流して保健室行こか」
💎side
言っちゃった、言ってしまった
僕の吐いたものを流してくれる初兎ちゃん
初兎ちゃんは優しいの?わかんないよ
この間までは少し僕に冷たかった気がする
保健委員だから、仕事だから優しくしてくれてるの?
初兎ちゃんのことがどんどんわからなくなる
どんなにわからなくなっても仲良くはしよう
そう思ったのに体は正直だった
💎「ん”、おえ”っ…ふッ…げぇぇっ」
びしゃっ..びちゃ、びちゃ
🐇「うお、大丈夫か?」
💎「んっ、ふぅ…..はぁ、」
💎「だいじょぉぶ…」
🐇「また好きな人のこと考えてたん?」
💎「ちょ、っと…だけ」
🐇「考えすぎんようにな」
目の前にいるのに、いつもそばにいるのに考えないなんてできない
初兎ちゃんは僕の気持ちに気付いてるのかな…
🐇side
やっと片付けが終わった
いむくんには悪いがもう吐かないでくれ…
🐇「よし、保健室行こか」
💎「ん、」
🤪「あ、いむしょーやん」
🐇「うわっまろちゃん?」
🐇「なんで居るん?」
🤪「りうらを保健室まで連れてった」
💎「りうちゃ…?」
🤪「安心せえや、サボりやから」
💎(ホッとした様子)
🐇「えでもまろちゃん保健委員やないやん」
🤪「保健委員今日休みで去年保健委員やってた俺が連れていくことになった訳」
🤪「そっちは?」
🐇「いむくん吐いてもうて…」
🤪「今年も保健委員なったもんな」
🤪「ほとけ?」(目線揃える)
💎「…なに、」
🤪「お大事にな」
💎side
心配してもらえて嬉しいのかもしれない
少しウキウキで保健室へと向かった
🐇「保健の先生居らんやん」
🐇「まぁいいや…」
💎「あ、りうちゃ…!」
🐤「…はぁ」
🐇「りうらはサボりやろ?」
🐤「なんでわかんの」
🐇「まろちゃんから聞いた」
🐇「今数学やっけ?そりゃサボりたいよなw」
まぁ数学をサボりたくなる気持ちはわかる
僕はサボりじゃないけど…
🐤「あ〜でも朝から咳出てたし別にサボりじゃないし…?」
🐇「はよ授業戻り」
🐤「はいはい…」(保健室から出る)
🐇「いむくん?服着替えよ」
🐇「腕んとこ汚れてるやろ」
💎「あ、うん…」
🐇「ジャージ持ってくるわ」
🐇「待てる?」
💎「うん、」
🐇「あ、そうやまた吐きそうになったらそこの袋つかい」
💎「ありがと…」
初兎ちゃんが冷たかったのなんてきっと気のせい
気のせいだと信じている
でもきっと僕のこの気持ちには気付いてくれていない
こんなに好きなのに
初兎ちゃんは色んな人と仲がいい
りうちゃんだって、ないちゃんだって、いふくんだって、あにきだって、クラスのみんなも
みーんな初兎ちゃんとはとても仲が良い
だから初兎ちゃんはよくモテる
それが辛い
🐇side
走って教室まで向かいいむくんのジャージとカバン、僕のジャージを取る
先生「ほとけ大丈夫か?」
教室の前から入ったからか先生に声をかけられた
どうやら今は問題を解いているようだった
そりゃそうだ
解説中に話しかけてきたら授業が止まる
🐇「あ、結構戻しちゃって…着替えさせたら僕授業戻ってきます」
先生「ほとけにお大事にって伝えとけよ〜」
🐇「はーい」
その足で保健室へと向かう
吐いていたり苦しんでいたらどうしよう
なんて不安な気持ちを抱えつつも保健室に着いた
がらがら…
🐇「ごめん遅なったな」
💎「ひッ…はッはッ、はひゅっ」
🐇「どうしたどうした…」
🐇「深呼吸しよな」
過呼吸を起こしているとは思いもしなかった
過呼吸…苦しいやろな
僕自身よく過呼吸を起こしていたからこそ感情移入してしまいいむくんにつられて少し呼吸が早くなる
🐇「ッ、ふぅ…はぁ…よし、」
🐇「息しっかり吐き?」
💎「へぇッ…はッ、はぁッ泣」
🐇「そのままやと苦しくなんで」
🐇「もっとゆっくり、丁寧に…いむくんならできるからな」
💎「んっ、はッ..ふぅ…ん…」
💎「はぁ……ふぅ….」
🐇「ええで、その調子やな」
💎「ん”〜…はぁ…」
🐇「だいぶ落ち着いたな」
🐇「…着替えよ」
💎「ん、」
僕も着替えたかったのでカーテンの中に一緒に入った
🐇「着替えよっか」
💎「え、あ…うん」
🐇「とりあえずシャツのボタン外すで?」
そういっていむくんの正面に回りボタンを外す
🐇「僕も着替えんと」
毎日着ている制服だから脱ぐのは簡単
シャツの第1ボタンを外すのは中々慣れないけど…
💎(ジャージを取る)
💎side
初兎ちゃんに腕の傷を見られたくない
でも無理に隠そうとしたらきっと不自然だ
初兎ちゃんが見てない隙に着替えてしまおう
🐇(シャツを脱いでる)
よし、今だ
そう思いシャツを脱いだ
包帯が緩まっている
後で巻き直したい
🐇(振り向く)
絶対に今腕を見られた
急いでジャージを着る
初兎ちゃんの方を見れない
でもこっちに来ているのはわかる
🐇「いむくん?」
こっちに来ないで、お願い
🐇「ジャージこれ逆やで」
🐇「こっち僕のやで」
思っていた事と違っていた
少し安心した
腕を見られないようにしながらジャージを脱ぎジャージを渡すためにゆっくりと初兎ちゃんの顔を見る
🐇「あ…」
🐇side
絶対に見られた
腕のことがバレないように隠しながら着替えてたのに
慌てて視線を逸らそうとしたらいむくんの腕が一瞬目に入った
思わず2度見してしまう
包帯だ、いむくんの綺麗な白い肌ではない
真っ白な包帯だった
💎「は、早く着替えよ…?」
見られたかと思ったが発言的にきっと僕の腕は見られていないだろう
でもいむくんのことが気になる
僕と同じで身体を傷つけているのか?それともただ怪我をしたのか
気になってしまう
💎side
今のは完全に見られていた
初兎ちゃんの目線が僕の腕に集中していた
どう誤魔化すか…
少し涙目になりつつもジャージを交換する
💎「あ、ありがと…」
🐇「ん、」
🐇「ちょっとトイレ行ってくるわ」
💎「はーい」
🐇side
保健室に戻っていむくんの体温とか記録したら教室に戻ろう
授業20分くらい抜けちゃったな…
早いとこ戻ろう
がらがら…(保健室に入る)
🐇「ん、体温計ろ?」
💎「え、あ…うん」
🐇「確か左右どっちも計るんよな」
いむくん、間違ってたらごめんな
いやでも冷静に記録の紙に左右書いてあるからどっちもよな
💎「そうなんだ…」
🐇「あ、体温計非接触型なんや」(独り言)
💎「ほへぇ〜」
🐇「そういえば2週間前くらいに委員会の集まりで非接触型になったとか言ってたわ」
💎「あ、やっぱり最近?2か月前熱出した時普通に脇で測ったもん」
🐇「僕おらんかった日よな」
💎「うん」
🐇「まぁいいや」
🐇「説明書どこや…」
💎「え、これじゃないの?」
🐇「箱に書いてある感じか」
🐇「ここを押して手首で計るんやな…」(説明書読みながら)
ボタン3つくらいあって意味わからへん
まぁどうにかなるやろ
🐇「右から計るか」
🐇「手出してや」
💎「はーい」
💎side
ぴっ…
[36.4]
🐇「至って平熱やな」
💎「体調悪いわけじゃないし…」
🐇「そういえばそうやったわ」
🐇「んじゃ次左」
💎「え、今ちょっと怪我してるんだけど…」
初兎ちゃんにバレたら…どうする?
嫌われちゃう?どうなるのかわかんないよ
怖い、本当に怖い
そんなことを考えてたらまた気持ち悪くなった
💎「ん”っ、」(近くにあった袋を取る)
🐇「大変やな…」
🐇side
💎「おえ”っ、ん”…げぇっ…..」
ばしゃっ…
🐇「ここまで来ると好きな人のこと考えてたんやなくて体調悪いんやない?」
💎「ちがっ、…げほっ…..げほ、」
🐇「何が違うん?」
💎「こわか、った」
🐇「何が怖かったん?」
💎「しょぉちゃ、ッ」
💎「きらわれたらッ..や、」
🐇「僕?なんでいむくんのこと嫌うと思ったん?」
💎「こんな、ッ…めいわくとか、かけたり」
🐇「さっきのは?水道の時の」
💎「あれはべつ、ッ…すきなひと」
僕以外に好きな人がいるのが少し許せない
僕のことだけ見ていて欲しい
🐇「とりあえず体温だけ計っちゃお」
💎「むり…」
🐇「計りたくない理由あるん?話聞くで」
💎「こわい、やだ」
🐇「話してくれへんとわからんで」
💎「…やっぱ、計っていいよ」
🐇「腕出して」
💎「ん、」(出す)
🐇「これなんの怪我や?骨?」
💎「…家の中で転んで擦った」
🐇「骨はなんもなってない?なら一旦包帯外すで」
💎「え、それは…」
🐇「計れへんよ」
僕は包帯を巻くのは得意だ
いつも先生がいない時にやらされてるし…ほぼ毎日自分の身体に巻いているのだから
🐇「巻き直したるから、な?」
💎「えぇ…ん〜」
💎「まぁ…いいよ」
🐇「はいはい」(包帯をとる)
僕の腕にある傷と全く同じ
自分でやったんやろうな
🐇「計るで」
ぴっ
[36.6]
🐇「平熱」
🐇「いむくん?」
💎「なに、」
🐇「ここの傷自分でやったやろ」
💎「転んだだけ」
🐇「しょーもない嘘つかんといてや」
🐇「僕の腕にある傷と同じなんやもん」
💎「…?」
🐇「ちょっと待っててな」
💎side
なにも理解できない
初兎ちゃんが袖をまくって何かをしている
…理解したくないのかもしれない
🐇「お揃い、やんな?」
初兎ちゃんのズタズタの腕と僕のズタズタの腕
僕たちは何かもお揃いなのかもしれない
💎「…僕ね、初兎ちゃんのことが好きなの」
🐇「僕のせいで辛い思いさせとった?ごめんな」
🐇「僕も大好きやで」
そういって僕の腕を手に取る初兎ちゃん
最初から全部“お揃い”じゃん…
🐇side
思わず全部話してしまった
🐇「なぁいむくん、」
💎「ん?」
🐇「幼稚園の頃から、好きやってん」
🐇「辛かった、苦しかった」
💎「…僕も」
🐇「さっきいむくんが好きな人のこと話してて苦しかった、死にたかった」
🐇「でも僕やとわかった時、嬉しかったで」
💎「初兎ちゃんはさ…なんで自分の身体…傷つけてるの?」
いむくんに振り向いて貰えなくて辛かった
それが理由だ
💎「僕は…ね、初兎ちゃんのせいだよ」
💎「だから責任取って、付き合って…?」
🐇「僕もいむくんのせい…」
🐇「大好きやで、いむくん」
💎side
腕の傷だって、愛の重さだってなにもかもがお揃い
これからも隣でずっと__
𝑒𝑛𝑑
あとがき
こういうタイプのお話大好き
前にも同じようなの書いた記憶がある
両片思いで苦しくて病んじゃったり吐いちゃうみたいなのほんとに好きです
スランプすぎて途中上手くかけてないけどまぁ…🙄