「ダイヤモンドってさ、僕達みたいだよね」
ふと弦月が呟いた。
「……急にどうしたの?」
コラボの打ち合わせ中に前触れもなく話始めた弦月にびっくりする。
そう聞くと弦月は、落書きしていた手を止めて甲斐田の方に目を向けた。
「いや、別に大した事じゃないよ。
ダイヤモンドってさ、黒かったものが、沢山磨くと輝くじゃん?沢山努力してきた僕達みたいだなって思っただけ」
確かにそうだ。僕達は理由は違えど、努力して首席という立ち位置に立っている。
もちろんそのお陰で3人一緒に居れるのだ。
面と向かっては絶対に言ってやらないが、本当に2人には感謝しきれないほど大切な存在だ。
「ふふ、そうかもね」
そうして2人で笑い合う。そろそろ長尾も家に着く頃かもね。
そう話していると、
ピンポーン
と、インターホンがなった。
「はる~!!!入れて~!!」
「叫ぶなばかたれ!!!」
そう叫び合う僕と長尾を、お弦は微笑ましそうに笑っていた。
平凡でそれ故に高価な僕達には、これくらいの平和さがお似合いだろう。
この日常がいつまでも続きますように。
密かに甲斐田晴は願っていた。
end.
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