この作品はいかがでしたか?
56
この作品はいかがでしたか?
56
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
俺が賞金首になって、大体1年くらい。幸い? 俺の額は1600万から上がってはいない。それだけは本当に助かったというか……これ以上上がるようなことがあったらさすがに困る。額が上がればそれだけ注目されるということだ。だから俺はあまり目立つような行為は極力しないように心掛けてきた。ポーラータング号から出るのも最低限にしてな。
だから、だから俺……。
「情報収集とか嫌なんだけど!!?」
「裏方がいいって言ったのはどの口だ」
呆れた表情を浮かべるローに、俺は何も言えなくなる。確かに表舞台に立つのは嫌だと言ったのは俺だ。王下七武海に入るためにローは今から動こうとしている。そしてその裏で俺に動いてほしいということだろう。
だけどなぁ……ローが頼むってことは、確実にそこら辺にいるような適当な海賊じゃないだろ~……。
俺がどうしようかと答えを渋っていると、ローは俺の胸に手を当てる。
「ろ、――ッ!」
ずぶり、とローの手が俺の中に侵入してくる。ローに心臓を触れられている。嫌悪感、なんてものではないレベルの恐怖。
「っふ……あ゛……。や、やめ…」
「こんなことはしたくねぇが、お前の心臓を人質に取ることもできる」
「わか……った、わかった、よ……」
俺の体内にあるローの腕に触れ、引き抜くようにすれば、ローの腕はそのまま俺の胸から出ていった。俺はそのまま座り込み、大きく深呼吸を繰り返す。死ぬほどびっくりした……。健康診断以外で内臓に触れられたの初めてでマジで怖すぎた。
「――で? 俺に何を調べてほしいんだよ。言っとくけど俺、ローほど強くないんだから過度な期待はしないでくれよ」
「あぁ。だがお前が使えない雑魚じゃないことだけは確かだ。お前に調べてほしいのは――」
ローの言葉を聞き、俺は小さくため息を吐いてから頷く。
「しばらくは別行動か。単独行動は久しぶりだな……」
「船は用意してある。小型だがそこそこスピードも出るし、小回りも利く」
「用意良いな……超ありがたいけど。あ、これ俺のビブルカードな。一応渡しとく」
「ビブルカード……新世界にあるやつか」
「あぁ。それで? 集合場所はどうする?」
「ここだ。1か月後にここで落ち合うつもりだ」
ローが地図に印をつけた場所を見て、俺は別の場所を提案する。
「大丈夫なのか?」
「ああ、情報を集めるにあたってひとつ頼ろうとしているところがあってな。その人を頼ればそこに行くことは容易い」
「……わかった。そこにしよう」
ローは頷く。約束の場所も決まったし、早速行動するか。善は急げ、ていうしな。