テラーノベル
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「じゃぁ、しちゃうよ?」
どうして毎回質問したら質問で返すのだろう。
進級してまだ日は経ってないのに廊下は雑音と人々の嵐だ。
幸い私の周りは友達で囲まれていたので、知らない男にぶつかることはないがうるさい奴の集まりみたいなもので耳が痛い。
私の親友が用事でこの輪から抜け出すまでは他愛も無い会話で済んだのに、男友達のAが、私ともう一人の男友達Bをいじり始めた。
私とBが付き合ってるというデタラメな嘘を言った。こういう嘘が好きなお年頃のみんなは嘘とわかっていても笑っていた。正直胸糞悪い。
私はみんなに合わせ笑った。
チャイムが鳴り響き解散したがBとは同じ階なので、同じスピードで階段を上っていた。特に喋ることがないのでお互い下を向いていた。そんな空気が嫌いな私は少しのノリと笑顔を混ぜて言った。
「あれ、本気にしないでね。」
あれ、とはAが言ってきた、私達が付き合っているという嘘のことだ。こんなときに限って笑ったあとの熱気が今この時、感じた。続けて私は話した。
「まぁ、本気にしたいならしてもいいよ?」
自分でもなんて言っているのかわからなくなり、ただ相手の視線とその他の階段を下りている人の笑い声だけを捉えた。
「あ…気にしないd、」
「じゃぁ、」
私が話しているってのに急に話してきたBを見つめながら私は止まった。
「じゃぁ、しちゃうよ?」
まったくだ。少しロマンティックな展開を期待してしまった私が悪いのだが、今にいつも通りの口調でいつものように質問で返すのは違うと思うのだが。
私は意地が出てしまった。質問で返されたならばこちらも質問でかえしてやると思った。
「なに?したいの?」
「うん」
私の意地で出た意地悪な発言に即答するB。
多分これが初めてだろう、
あいつにドキドキしたのは。
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