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「ということで離婚しよう。さっきも言ったけど、慰謝料請求はしない。財産分与はするよ。君に分与する財産なんて100万もないけどね」 「どうして? この家だってあるじゃない?」

「この家も土地も銀行の定期預金もとっくにシンに生前贈与してある」

去年それを父から知らされてわけが分からなかったけど、つまり離婚準備だったわけだ。やりたい放題だった母に父が一矢を報いた、というところか。離婚宣告がこのタイミングになったのは、このままでは僕の結婚が破談になると心配して、急遽計画を早めることにしたのだろう。

「シン、この家は君のものだ。結婚するならアパートを出て萌さんとここに住んだらどうだ?」

「萌さんと検討します。いい話だと思うので前向きに」

「一つ頼みがあるんだ。君たちがここに引っ越してきたあとも、邪魔にならないようにするから僕も住まわせてもらえないか。僕の部屋は一部屋あればいい」

「それなら私も!」

ここぞとばかりに母が声を張り上げる。

「お断りします」

母にトドメを刺したのは僕だった。

「さっきあなたは萌さんが僕にふさわしくないと言ったけど、この家に住むのにふさわしくないのはあなただけだよ」

「シンちゃん、あなた私を裏切るの?」

「家族を裏切ったのは不倫したあなたです」

「そんな! もう私の親だって亡くなってるのに、これから私はどこに住めばいいの?」

「さっきの報告書見ると不倫相手は十人以上いたみたいだし、一人くらいあなたの面倒見てくれる人がいるんじゃないの?」

僕にまで突き放されて母は白い灰になった。

君はスタジアムに吹く風のように

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