──────???視点──────
メテヲさんがそう呟くや否や、俺の胸部分に衝撃がはしる。痛くはない。しかし、その場所を見れば服に血が滲んでいた。そこを触れば、ベッタリと赤黒い血が俺の手に付着する。
思考が停止し、一瞬何が起こっているのか分からない。
そもそも罪人、と呼ばれるようなことはしていない。罵られるようなことをした覚えもない。それなのに、天罰や、審判、正義の鉄槌…まるで自らを正義だと認識するただの悪では無いか。
「じゃあね、──────♪」
俺──────ウパパロンに向けられたその言葉は濁りきっていて聞き取ることが出来なかった。俺は、ここで死ぬのだろうか…。俺が何をしたというのか、俺はまだラテに感謝を伝えていないし、まだまだみんなと楽しく、バカ騒ぎしてすごしたい。幸せですか?──────あぁ、幸せだった。だけど、まだ幸せになれるはずだったんだ。未練が、後悔が、まだまだあるんだ。こんな所で死んでられないし、死にたくもない。
なんて、恨みが増しく、死ぬ間際まで叫んでやろうかと思った。しかし、ふと、横を見ればラテが口をポカンと開き、目を見開く。その瞳は俺の顔と胸部…心臓を交互に見る。その不安げな様子、絶望した様子に俺は、何も言えなくなる。ただ、最後に、最後まで俺とバカ騒ぎし、親友としてずっと一緒にいて、離れることは無かった──────見捨てることはしなかったラテに最後に、感謝の気持ちと、ほんの少しの懺悔を最後の言葉に込める。
「今まで──────」
続きを言おうとしたが、既に口が開かなくなり、俺の手が、足が、頭が、心臓が、泡となり、消えていく。最後まで、言いたかったな…
──────ラテ視点──────
ウパの心臓が槍によって貫かれている。その凄惨たる光景に、私の思考は停止し、ウパと心臓部を交互に見る。ウパは先程まで暗く、絶望に満ちた顔を浮かべる。死ぬ瞬間ってこういう表情を浮かべるのか、と思ってもみないことを思う。そうでもしないとこの現実を受け入れることが出来なかったからだ。
ウパは私を見ると、泣きながら今まで見たことの無いほどの笑みを浮かべる。見ればわかる、既に腕に力が入っておらず、笑顔にするのも大変なはずだ。無理しなくてもいい、そんな言葉を飲み込む。何故ならば、ウパの体が心臓部を中心として体が泡となってだんだんと消えていくからだ。そんなことを言っている場合では無い。
「今まで──────」
ウパは言い残す言葉もなく、言葉を泡へと変え、この世から退場する。後に残ったのは、お互いの力を込めた、『炎』という形をしたピアスだった。
私のプレゼント、最後まで取っといてくれていたのか。そんな嬉しい感情も最愛の親友が亡くなったというショックから、そんなことなんてどうでも良くなってしまう。
最愛の親友が、仲間によって、殺される。死体すら残さないで、この世に生きた証すら残せなくて、最後の言葉すら残せなくて。そんな情けなくて、優しかったウパはもう笑うことは無い。
私は、現実を受け止めることが出来なかった。静かに、その場にへたり込む。
…事はしなかった。こんなことではウパに笑われてしまう。殺したやつの顔くらい拝まなければ。殺さなくてはならない。そんな使命感に燃やされる。私は、ウパを殺したやつをつり上がった目で睨みつける。
そいつは平然のように『元』仲間の命を奪いやがったのだ。許すことは出来ないし、許されることでは無いのだ。
──────いえもん視点──────
ウパさんが泡となり、消えていく。その一部始終を見てしまった俺は、驚きを隠せない。だって、だって。俺達の中に裏切り者がいると思っていなかったのだ。
煌めく光をまとった白い槍を握り、ウパさんに突き刺した犯人は上品に笑いをこぼしたかと思うと、だんだんと声が大きくなり、最終的には狂ったかのように大声で笑い声をあげる。
「ふふっw…ふはッwアッハッハッハッハッwww」
その狂った光景に俺たちはドン引きを隠せない。
「ひ…ひな?何を…してるんだ…?」
ルカさんは震えた声で犯人──────ひなさんの名前を呼ぶ。
名前を呼ばれたひなさんは「ん〜?」と言いながら俺たちの方向に振り向く。その笑みは先程まで仲間だった人を殺したやつには到底見えなかった。
「ただ、殺した。それだけじゃん?そんな怖い顔しないでよw」
ひなさんは笑いながら言葉を続ける。そして──────純白の白い翼を悠々と広げ、俺たちを見下すかのように宙で浮く。ひなさんの頭上では光が集まり、光輪を作りだす。その真ん中にはきらりとひかる、光が浮いていた。
「ルカ兄さ、よくひなのことを『天使』って例えるじゃん?あれ初めて聞いた時びっくりしちゃった〜。」
一気に急降下し、ルカさんを見下す位置で、そう、はっきりと言う。
「だってひな、──────可愛い可愛い天使なんだもん♪」
ここで切ります!これもだいぶ前から構想練ってたシーンですね〜上手くいって良かったです。ここから仲間回収(?)というほのぼのした展開から一転、戦闘やシリアスさが増すと思います。最後の最後までハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、それともトゥルーエンドなのか…分からないようにはしてるつもりです!
それと、4万いいねありがとうございます!!前回突破していたのですが、気づいたら4万、と言った感じでイラストできてないんですよね…なので、次回くらいにイラストを載せます!よろしくお願いします!
それでは!おつはる〜
コメント
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わぁお まさかの展開 てっきり本物のmtwさんかと
う〜ん、これは予想外