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コメント
1件
あー、これ最高に面白いわ!😂 カイルが強壮薬飲んでるのに、ソフィアは避妊薬飲んでるっていう完全なすれ違い、しかもお互い「これで安心」って思ってるのが可愛すぎるでしょ。カイルの「俺に任せてくれ」って真剣な顔してるのがまたズルいわ、もうニヤニヤが止まらん。続き早く読みたい🔥
ひより
5,350
#ロマンスファンタジー
百はな🍑
5,773
世羅 鈴🎨🎤
272,863
#主人公最強
伊織
41
――数日前。カイルは、執務室で一人悩んでいた。
新会計制度の導入が始まって以来、ソフィアと過ごす時間そのものは増えている。だが、交わすのは予算や人員、今後の計画についての話ばかり。仕事が終われば、ソフィアは書類を抱えてさっさと自分の部屋へ帰ってしまう。
(身体の距離は近いのに……なぜ、見えない壁を感じるのだろうか)
自分に至らないところがあるなら直したい。不満があるなら、言ってほしい。だが、ソフィアが自分をどう思っているのか、カイルには未だに分からなかった。
そんなある日。皇宮の廊下を歩いていたカイルは、曲がり角の向こうから聞こえてきたメイドたちの会話に、思わず足を止めた。
「彼、悪い人ではないんだけど……あの時だけは苦痛なのよね」
「そんなにひどいの?」
「自分が満足したら、それで終わりっていうか……」
「本人に言えばいいじゃない」
「そんなことを言ったら、傷つくでしょう? だから、いつも満足したふりをしているのよ」
(満足していなくても、相手を傷つけないために黙っていることもあるのか……?)
急に不安が押し寄せた。
その日の夕方。騎士団の更衣室で、カイルは騎士たちの会話を耳にした。
「お前、昨日はどうだったんだよ」
「いやあ、彼女から『今までで一番よかった』と褒められてな」
「城下町の薬屋で売ってるっていう強壮薬だろ?」
「ああ。いつもより余裕ができてな。反応を見ながら、ゆっくり応えてやれたんだ」
「……その話、詳しく聞かせろ」
背後から響いた声に、騎士たちは凍りついた。
「カ、カイル殿下!?」
カイルは、冗談ひとつない真剣な顔で騎士へ詰め寄る。
「薬屋の場所と、薬の名前を教えろ。今すぐにだ」
「は、はい!?」
カイルはその日のうちに、城下町の薬屋を訪れた。薬師から渡されたのは、ガラス瓶に入った琥珀色の薬だった。
「一晩に一粒までです。決して、二粒以上お飲みになりませんよう」
「分かった」
「それに……お若く、鍛えていらっしゃる方には、必要ないと思いますが……。効果はあくまで持久力を補うだけでございますので……」
「念のためだ」
カイルは大真面目に答え、薬の入った小瓶を懐へしまった。
***
そして現在――。ソフィアが化粧室へ入ったのを見届けると、カイルは懐から小瓶を取り出した。
中の薬を口へ放り込み、残っていたハーブティーで流し込む。
(よし。薬は飲んだ。これで安心だ)
(今夜こそ、きっとソフィアを満足させてやれる)
その頃、化粧室では――。ソフィアはナイトローブのポケットから、小さなガラス瓶を取り出した。
月に一度、城下町の薬屋でこっそり買い足している避妊薬だ。アンナには胃薬だと誤魔化している。
(ポケットに入れておいてよかった)
(前世では、あれだけ不妊治療をしても授からなかったけど……)
(……まあ、今は別の身体だけど。念には念を、よ)
一粒飲めば一晩効果が続く、白い錠剤を飲み込んだ。
(よし。これで一安心ね)
***
「お待たせいたしました」
羽織っていたローブをソファの背へ掛ける。ネグリジェの裾を持ち上げ、その膝の上へ跨がった。
「おいっ……!?」
カイル殿下の首へ腕を回し、唇を人差し指で艶めかしくなぞる。
「殿下がいつもお元気すぎるものですから、私も今日は本気を出さなくてはなりませんわね?♡」
最初は、浅く触れるだけの口づけ。
「……っ」
首へ腕を絡め、唇の隙間をなぞるように舌先を差し入れる。
彼はわずかに視線を逸らし、唇を閉ざそうとした。けれど、絡め取るように誘えば、その抵抗も長くは持たない。あっけなく降伏し、たどたどしく舌を絡めてくる。
(ふふっ。相変わらずチョロいわね)
唇を塞ぎつつ、カイル殿下のシャツのボタンへ手をかけた――その時。
遮るように動きを止められた。手の甲に、彼の手が重なる。
「……ソフィア。今夜は、俺に任せてくれ」