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『最近、えななんと雪って仲がいいの?』
Amiaから放たれた衝撃の言葉。もしかしたら何かを見られているのかもしれない。心当たりしかない。
「は、なんでよ」
『いや、まあ、別に』
「ちょっと、何その反応怖いんだけど!?」
『も〜うるさいよ〜えななん』
『えななんうるさい』
『えななん、何か話せることがあるなら話して』
「私の扱い……」
別にいいんだけど。私が見られて困るものは一つもないし。寧ろまふゆの方が困ることしかないと思うし。
すると、扉をノックする音が聞こえて、ドアが開いた。
「おい絵名、うるさいぞ。何時だと思ってるんだ」
「はあ、そんなに叫んでないでしょ」
「つーかお前、部屋片付けたのか。人呼ぶんだろ」
「時間あるんだからこれから片付けるの。あとそんなに汚れてないし」
「叫ぶくらいなら今の内から片付けとけよ。あ、菓子無いから、買いに行けって。ほら、金渡されたから」
「彰人が何か買いに行ってきてよ。どうせ暇でしょ?」
「は、暇じゃねえんだけど」
「よろしく〜。私暇じゃないから。部屋も片付けないといけないし」
「おいお前、都合のいい使い方してんじゃねえ。……仕方ねえなあ、昼になんか買ってくるか。これ貸しイチな」
彰人は心底面倒くさそうな顔をしたが、人の為に用意するお菓子だからか、買いに行ってくれるみたいだ。よかったよかった。
さて、作業をしよう。早速ミュートを解除し……。
──ミュートにした記憶がない!
『ねえねえ、えななん〜誰を家に呼ぶの〜彼氏〜?』
「そんなわけないでしょ!」
『んー、じゃあ愛莉?』
「いや、違うけど」
『ふーん。えななんってちゃんと他の友達いたんだ』
『雪だったりしないの?』
「えっ……それは、違うけど……」
正式に言うならまふゆだから違う。屁理屈だけど。
『なんか怪しいよね、K』
『怪しいね、Amia』
「はいそこ協力しないの〜。ねえ、雪もなんか言ってよ」
『絵名の家、楽しみだな。明日どんな服着て行こう……』
「ちょっと、いい子の時の声で言わないの!」
まふゆの白々しさが役に立ったんだろう。その後も何やかんやあったが、誤魔化すことができた。
別に隠す必要は無いんだろうけど、瑞希に変にからかわれるのは嫌だし、機会があったら本当のことを言おう。