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足音が、タンスの目の前で止まった
すぐそこにいる
扉一枚向こうに
あの青い化け物が立っている
息をするのも怖い
誰かの肩が小さく震えているのが分かった
取っ手が、ゆっくり揺れた
あぁ、終わった開けられる
そう思った、その瞬間
_ガタンッ
図書室の奥で、大きな音がした
青い影が、ゆっくりそっちを向く
しばらく動かなかったが
やがて
_ドンッ
重い足音が、タンスから離れていった
誰も、すぐには動けなかった
足音が完全に聞こえなくなってから、
みどりが小さく言った
md「、、、いったね」
全員一斉に息を吐いた
cn「、、、あぶなかったね」
コンちゃんが小さく笑う
でも、すぐに少し真面目な声になった
cn「たぶんあれ、未練の場所に来るんだ」
ru「未練の場所、、、?」
cn「その人が、やり残したことがある場所」
「大事だった場所」
「忘れられない場所」
静かな図書室に
コンちゃんの声だけが響いた
cn「だから、ここに来た」
レウが、手に持ったノートを見つめた
誰も、何も言わなかった
しばらくして、みどりが言った
md「、、、いこう」
廊下の扉をそっと開ける
_ギィ
軋む音がやけに大きく響いた
廊下は、暗いままだった
さっきと同じはずなのに
少しだけ違う気がする
空気が、冷たい
md「、、、まっすぐ」
みどりが前を指さす
そのまま、誰も喋らずに歩き出した
足音だけが、廊下に響く
一歩進むたびに
後ろから何か来るんじゃないかって思う
こまめに振り返りたくなる
でも、誰も振り返らない
cn「、、、この先」
コンちゃんがぽつりと言う
「ピアノ室、あったよね」
その言葉に、みどりが少しだけ頷いた
md「、、、うん」
廊下の奥に、扉が見えてきた
見覚えのある、あの扉
誰も立ち止まらなかった
みどりが取っ手に向かって
ゆっくりと手を伸ばした