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凛Side

痛みを感じなくなったのは何時からだろうか。

自分は欠陥品、要らない弟、そう思う度痛んでいた心は今では全く痛まなくなった。

それどころか何の痛みも感じれなくなった。今はバレてはいけない。…厭 、『彼奴』が生きている間は、だ。

もう欠陥品だなんて言われたくない。その一心で必死に痛みを感じるフリをした。

「…酷ぇ顔 、」

鏡に映る自分はまるで『あの時』の『彼奴』に似ている。

今日、やっと『彼奴』と会う。正確には『彼奴』の居るチームに入る事になった。

彼奴の推薦で入る、となった時は認めてくれたのか、と言う嬉しさと同時に背筋が凍るような恐怖も付いてきた。

痛みを感じないのがバレたらまた「欠陥品」と言われてしまう 。

『彼奴』 、 『兄貴』が欲しいのは『糸師凛』何かじゃなくて『完璧なストライカー』だ。

「こんな酷ぇ顔じゃ 駄目だな 、 」

そう思うも残りの10分でどうにか出来そうな顔ではない。

…出逢わなければ良い話だ。明日迄にはどうにかしよう。そう思って鞄を持ち家を出た。


「… 此処 、 か 」

色々な奴に案内された寮の部屋は此処の様だった。 

…と 、 入ろうとすると隣室のドアが開いた。どうせ後で挨拶するから良いか、と思い特に気にもせず部屋に入ろうとすると咄嗟に手を掴まれた。

「…(ガシッ)」 

「ッは 、 ? 兄貴、?」

一番会いたくない人物に会ってしまった。先程まで居なかったのを見ると様隣室だろう、

「…何だよ 、」

「…チッ 、 今すぐ帰れ」

「… 」

自分がどんな顔をしたのかは分からない。酷い顔をしているだろう。

それから俺は逃げる様に部屋へと入った。 


冴Side

昔、弟に酷い事を言った。それからは会ってないものの今日、俺の招待で俺のチームに来るそうだ。

…少しだけ楽しみだ。

何時も通りの様に準備をしながらそんなことを考えた 。



丁度部屋から出ると凛が部屋に入る所だった。咄嗟に手を掴もうと少し力を入れ過ぎた。

謝ろうとすると凛は全く痛くないかの様に問いかけて来た。

普通の人なら痛い筈 、

まぁ、気の所為だろう、そう思って顔を見ると具合が悪いのか、寝れていないのか酷く窶れている様に見えた。

「何だよ 、」 

「…チッ、今すぐ帰れ 」

違う。こんな事を言いたいんじゃない。口を開いたらすぐこれだ。謝りたい事もいっぱい有ったのに、心配する言葉、謝る言葉だけ喉に引っかかる。

凛は酷く傷ついた様な顔をしていた。あの時と同じ様に。

そうして部屋へと入ってしまった。

「 …チッ 、 んでこういう時に限って 、」

何時もなら思っている事を言える筈なのに、こういうときには何も言えなくなる。

「 本当に駄目な兄貴だな 、 」

 

♡ ↪ 10 

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コメント

5

ユーザー
ユーザー

続きありますか

ユーザー

へッ、…?やばい天才ですかッッ、…?😭💕💕 続き待ってます、…😢💕

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