この作品はいかがでしたか?
107
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フウン…本編です
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「… どうだった?」
「今日もダメだった、」
「私も…」
太陽が登り始める頃から全体で探索が始まり、日が暮れる頃に帰ってくる。
そんな生活を続け初めてはや1週間が過ぎようとしていた。
「……1つ提案なんだけどさ、王様の部屋…見てみない、?」
「でも入るなって言われてるハズじゃ…」
「この前凄い風が強かった時あったでしょ?その時にね、王様の部屋の扉が半開きになってたんだ」
「建て付け悪いなおい」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「入るなら、今じゃないかなって思って…」
部屋には沈黙が続く。
不確定な情報しかない今、どう行動すべきなのか分からない状態だ。
恐らくその場にいた全員が王様が居れば、と心のどこかで思うことだろう。
「入ろう、」
誰がそう言い始めたのかは分からないがその言葉に全員が頷く。
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一方で、陸海国から帰ってきたにうは天青国の街並みを歩いて観光していた。
それはもう、すごく楽しんでいた。
何が原因なのかは分からないがにうはテンションが上がっていた。
そのノリで街を歩き他人からは冷たい視線が送られている。
一国の王なのに。
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「よし、じゃあ…開けるよ」
「うん」
「うぅ…なんかドキドキする…」
ガチャ、と扉をゆっくり開ければまず1番目に飛び込んできたのは中央に位置する控えめだが高級感のある椅子と机だった。
机の上には資料と万年筆が置かれており、引き出しには全て鍵がかかっていた。
壁には一面本棚が並んでおり、国の歴史書や政治本が置いてあった。
「…ん?」
その中にひとつだけカラフルな背表紙が見え手に取る。
それは一つの絵本でありこの国では幼い頃に必ず一回は読む絵本だった。
「王様ももってたんだ…」
「なんで歴史書の中にあるんだろ?」
「…この国の歴史だからですかね」
「でもフィクションばっかりだって習ったよ?」
「私たちが読むのはフィクションの綺麗な話なのかもね」
ペラペラとページをめくれば確かに知らない絵や文が書かれており恐らく一部の王族だけ買うことが出来る本なのだろう。
「てん…?」
「王様の妹様…だね、」
「……天青国の王様じゃねぇか…」
資料を読み進めていくとどんどん歴史が紐解かれていく。
「てことは天青国にいるのかな、?」
「可能性としては…」
「明日、俺とそらで行くか」
「でもまだ確定って訳じゃないし、」
「でも何もしないよりは…」
チリリリリリリン
サイドテーブルに置かれた置き電話が音を立てて鳴らす
「電話っ!?」
「ど、どどどどどうしよ」
「お、落ち着けばばばばばばば」
「2人とも落ち着いて!」
もくとふみとがワタワタとしていた弾みで机に当たってしまい、受話器が落ちる。
『あ!やっと繋がったよ』
『てことは開けたのかぁ』
「「お、王様!!!!!!!?」」
『うるさっ!?』
『うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!!』
『いやてんのほうがうるさいわ、』
「王様!!!帰ってきてください…!」
『あー、うん。しばらくしたらね』
「しばらく、」
「王様私たちのこと嫌いになっちゃったの…?」
『……嫌いになんてならないよ』
「なら…!」
『ごめんね、ちゃんと帰るから探さないでそのまま待っててよ』
「おおさ…!」
ガチャン、と音が聞こえたかと思うとその後王様の声は聞こえなくなった。
「…、」
「…え、っと…」
部屋には再び、静寂が訪れた。
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それから、しばらくの月日が流れた。
陸海国は今まで通りに運営され、安泰が続いている。
「まだかなぁ」
「どうだろうね」
「もく、早く王様に会いたい!」
あれから、電話がかかってくることは無くこちらからかけることも出来ない。
「やっぱここの海は綺麗だね」
「ですよね!…ってええええええええ!?!?」
「お、おおおおおお王様!?!?!?」
「元気だった?」
「王様ぁぁぁぁぁぁぁぁ; ;」
その日、城ではちょっとしたパーティが開かれた。
みんなで深夜まで話をしたり、お菓子を食べたりして最終的に雑魚寝をした。
それからにうはたまに旅へ出るようになったり、ならなかったり…
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END.
王様終わり!!!!!!!
あざっしたぁぁぁ!!
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完結おめ