テラーノベル
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「雨の日は私を求める」
cp:赫瑞(赫×瑞)
――晴れた日は、他の誰かのもの。だけど、雨の日だけはこさめだけのなつくん。
【ATTENTION】
歌い手グループの二次創作(BL・nmmn)小説です。
意味が分からない方、検索避けの意味が理解できない方は閲覧をお控えください。
・拡散禁止 / ご本人様周辺への持ち込み厳禁
・作中、攻め側に女の影(モブ)が散らつきます
・地雷、解釈違いは自衛をお願いします
大丈夫な方のみ、本編へお進みください。
暇72という男は、本当にずるい。
配信で見せる鋭いツッコミやクールな低音ボイス。その癖、時折覗く圧倒的なファンサやメンバーへの過保護さで、数え切れないほどの人間を狂わせている。
プライベートのなつくんだってそうだ。ぶっきらぼうで口は悪いのに、驚くほどマメで、顔が良い。その気になれば、彼の周りにはいくらでも女が集まった。
シクフォニのメンバーとして、その尖った魅力を一番近くで
見続けてきた雨乃こさめは、その現実を嫌というほど知っていた。
「……また、雨」
薄暗い部屋の中、こさめは遮光カーテンの隙間から外を見つめた。
ガラス窓を激しく叩く雨粒が、世界の色を灰色に染めていく。
低気圧のせいか、頭が少し重い。
ポツン、とデスクの上のスマホが震えた。
『今から行っていい?』
画面に表示された名前に、こさめの胸がトクンと跳ねる。なつくんからだった。
晴れた日のなつくんは、他の女たちと器用に連絡を取り合っている。
こさめがグループの連絡以外でプライベートなメッセージを送っても、「今忙しい」「後で」と冷たくあしらわれるのがオチだ。
だけど、雨の日だけは違う。
この世界が雨の音で閉ざされる日だけは、なつくんは他の誰のところでもなく、
必ずこさめの部屋にやってくる。
――カチャ、と鍵の開く音がした。
合鍵を使って入ってきたなつくんは、黒い上着の肩がすっかり濡れていた。
いつもは完璧にセットされている髪が、湿気で少し崩れて額に張り付いている。
「……わりぃ、濡れた」
「ううん、おかえり。なつくん」
こさめが駆け寄ると、なつくんは濡れた上着を玄関に放り投げ、そのままこさめの細い手首を掴んで壁に押し付けた。
「っ、なつ、くん……?」
「……こさめ」
いつもよりずっと低くて、掠れた声。
そのまま強引に唇を塞がれた。
貪るような、どこか飢えたキス。
なつくんの身体から、冷たい雨の匂いと――そして、胸が痛くなるような、知らない女の甘い香水の匂いが微かに混ざって漂ってくる。
(あぁ、さっきまで別の誰かと一緒にいたんだ)
分かっているのに、こさめはなつくんの首に腕を回し、そのキスを必死に受け入れた。
普段のなつくんは、誰に対しても堂々としていて、鋭い言葉で周囲を圧倒する男だ。
でも、雨の日の彼は酷く脆い。雨の音が引きずり出す、彼の中に眠る「満たされない孤独」を埋められるのは、他のどんな女の軽い言葉でもない。
なつくんの剥き出しの弱さを受け止められるのは、彼の本当の声を知っている、こさめだけだった。
「ん……はぁ、なつくん、苦しい……」
「……お前、ほんといい匂いすんな」
唇が離れると、なつくんはこさめの首筋に顔を埋め、深く息を吐き出した。
こさめの背中に回された大きな手が、骨が軋むほど強く抱きしめてくる。
こさめは知っている。
明日、雨が上がって太陽が昇れば、なつくんはまた「シクフォニの暇72」に戻り、自分をただのメンバーとして扱う。他の女たちのところへだって、平気な顔をして戻っていく。
それでもいい、とこさめは思う。
この激しい雨の音の中、こんなにも情けなく自分にしがみつき、求めてくるなつくんの姿を知っているのは、世界中で自分だけだから。
普段の「あざとい雨乃こさめ」の仮面を脱ぎ捨てて、こさめはなつくんの耳元で、低く、男の声を囁いた。
「なつくん、他の女の匂い消してあげる。……だからこさめのことだけ、考えてよ」
なつくんの瞳が、暗い熱を帯びてギラリと光る。
「……言われなくても、そうする」
窓の外の雨は、二人の狂おしい吐息を掻き消すように、ただ激しく降り続いていた。
(おわり)
読者多ければ続き書くかも…((
コメント
7件
神作品です! もう好みすぎて😇
うわぁぁぁぁっぁぁぁ発狂するこれ!えぇまってこれうわうわうわ良い!めっちゃ良い!
うわっ、雨の日だけ特別になつくんがこさめのとこに来るって設定、すごく切なくて好きだ……。普段は他の女のとこ行くのに、雨の日だけ弱さ見せて縋ってくるところがもう、こさめの「それでもいい」って覚悟に胸がぎゅっとなる。最後の「他の女の匂い消してあげる」って台詞、めちゃくちゃ刺さった。続き読みたい……!
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