テラーノベル
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けれど、数秒遅れて理解した瑠璃香は、顔が一気に熱くなるのを感じてしまう。
「なっ……」
「駄目か?」
駄目なわけがない。……瑠璃香だって晴永不足だ。出来ることならイチャイチャしたい。
そもそも、晴永と触れ合えなかった原因は自分にある。
勝手に勘違いして、勝手に落ち込んで、勝手に距離を取った。
今思い返しても、穴があったら入りたい。
「……ごめんなさい」
うつむきながら謝ると、晴永が悲しそうな顔をした。
「ひょっとして、まだ藤井田さんとのこと、誤解が解けきれてない……?」
「あ、いや、そういう意味じゃなくてっ。私、勝手に勘違いして……晴永さんを避けちゃったから……」
「それは、俺にも原因があったって言っただろ?」
「でも……」
なおもウニャウニャと言い訳をしようとしたら、晴永にギュッと抱きしめられた。
「うだうだうるさいぞ? ダメじゃないなら仲直りとしてスキンシップさせろ」
「えっ……」
抱きすくめる腕に力を込められて、瑠璃香は言葉を失った。
なんとも乱暴な論法だけど、見上げた晴永の表情が照れているように見えたからだろうか。ちっとも嫌な感じがしなかった。
そればかりか……〝仲直り〟という表現が妙に嬉しくて――。
別に喧嘩したわけではない。
けれど確かに、二人の間には少しだけ距離が出来ていた。
それを埋めたいと、晴永が目一杯瑠璃香に歩み寄ってくれている。
自分も素直になりたいと思った。
「……よろしくお願いします……?」
何と答えるのが正解か分からなくて、語尾が疑問符まじりに跳ね上がる。
だけど、晴永はそれだけで良しとしてくれたらしい。
晴永の腕が背中とひざ下へ回る。
くるりと世界が回転して、気が付けば彼に横抱きに抱え上げられていた。
「ひゃっ……」
「寝室に行こう……」
熱を孕んだ低い声が、すぐそばから降ってくる。
「……瑠璃香の温もりを、思い切り感じたい」
外では雨が降っている。
明日晴永は、角宮盛晴と向き合う予定だという。
瑠璃香は家で待っていて欲しいと告げられた。
きっと、簡単な戦いにはならないだろう。
それでも今だけは、何も考えずに晴永と二人きりの時間を感じたかった。
瑠璃香はそっと晴永の胸元へ頬をすり寄せる。
彼の力強い鼓動が感じられて、瑠璃香は幸せな気持ちに満たされた。
「晴永さん」
「ん?」
晴永に抱かれたまま寝室へ向かいながら、瑠璃香は彼を見上げる。
「明日、無理しないでくださいね」
少し考えるような間とともに、歩みが止まった。
「無理は……する」
瑠璃香の言葉を否定する返事に、瑠璃香が思わず「え?」とつぶやくと、晴永が真剣な顔で続ける。
「お前と一緒にいられる未来のためなら、俺は無理も無茶もいとわない」
「……もう! そんな堂々と怖いこと言わないでください!」
眉根を寄せて即座に諫めてみたけれど、晴永はまったく反省するつもりはないらしい。
「それは無理な相談だな」
「晴永さん!」
コメント
2件
きゃー! はるながさんったら(* ̄m ̄)
あああ読み終わった〜〜!!😭💕 この回、瑠璃香ちゃんの気持ちがひしひし伝わってきて胸がギュッてなったよ…!「駄目か?」って訊く晴永さんの照れ隠しみたいな強引さ、めっちゃエモいし、瑠璃香ちゃんが「よろしくお願いします…?」って疑問符つきで返すとこ、可愛すぎて悶えた!!🌸 そして「無理も無茶もいとわない」って言い切る晴永さん、かっこよすぎて怖いよ…💦 でもそれだけ瑠璃香ちゃんのこと大事なんだね。明日の戦い、心配だけど2人で乗り越えてほしい…!応援してるよ〜🔥✨
鷹槻れん

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鷹槻れん

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