テラーノベル
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※死ネタです。苦手な人はスルーを。
「白、石…?」
白石と登校している間、スクランブル交差点で白石は車に轢かれ、亡くなった。
「白石!!!!大丈夫か!!救急車は、誰か!!救急車をお願いします!!!大丈夫だぞ、白石…!」
「冬、弥…」
白石が俺の手を握った。
「あれ…血だ…私、死んじゃうみたい、」
「駄目だ!逝かないでくれ!!」
「そんなこと言ったって…もう…」
白石の握る力がどんどん弱くなって、冷たくなる。
「冬弥、好きだよ…」
「…!!ああ。俺も大好きだ…」
「やったぁ…両思いだね…嬉しいなぁ………ありがとう…… 」
「白石?白石!!!!」
白石は俺に最後の言葉を残してこの世を去った。俺は最後の最後まで叫んだ。
“白石は生きている”と。
だが、結果は駄目だった。
「杏ちゃん…どうして…!!」
「くそっ………」
彰人と小豆沢も急いで病院に駆けつけてくれた。時期に暁山や桐谷さんなど大勢の方たちが白石の為にこの狭い病室に集まるだろう。
「………白石…俺…」
「冬弥…」
彰人が俺の背中をさすってくれる。自分も悲しいだろうに。
本当に、好きだったんだ。毎日のように白石のことを考え、少しでも良いことがあった日は少し浮かれたりした。楽しかった。
でも、もうそれはできない。きっと毎日のように白石のことを考え、永遠に闇に染まるだろう。
どうして白石なんだ。何億分の1の確率を引き当てた白石はある意味すごいが、絶対にここではない。
「白石!!“生きてる”と言ってくれ…!頼むから…!」
俺は亡き者となった白石の綺麗で整った顔に一つの祈りを捧げた。叶わないと分かっていても祈り続けてしまう愚かな俺。
やっと、両思いだったことが分かって、これからだったのに…
その日から俺は涙が止まらなかったんだ。
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