コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
帰りは俺の方が少し遅かった
鍵を開けて玄関に入ると、音に気づいた翔太くんが部屋から顔を出す
「あ、蓮!おかえり〜!」
駆け寄ってくるのを腕を広げて抱き止める
「ん、ただいま」
「まってた。おつかれさま」
翔太くんはもう部屋着に着替えていて、短パンにTシャツを着て、俺のパーカーをブカっと羽織ってる
可愛いけど、そろそろ寒くなってきている
「またそんな足だして。風邪引くよ?」
抱きしめたままに注意すると、ぐいっと背伸びをして顔が近づく
「でも蓮、好きだろ、こういうの」
唇が触れないギリギリで止まってそう囁く
僅かにかかる息がくすぐったい
至近距離にきた瞳は昼間と同じいたずらな光を宿している
同意を伝えるように腰に回した腕を強めると、 満足気に笑って、ゆっくりと柔らかい口付けをくれる
わざとだということをこんなにも愛らしくアピールしてくる
「ほんと、毎回、どこで覚えてくるの?そんなかわいいの」
「ふふ、内緒」
そういってするりと俺の腕の中から抜け、早く行こ、と手を引かれリビングに向かう
「ご飯、すぐ食べる?」
「ううん、もう少し後でいい。蓮、疲れてるでしょ?ゆっくりして」
「ん、わかった」
「コーヒー淹れてあげるね」
「ありがとう」
着替えてソファに戻ってきたところで、ちょうど翔太くんが両手にマグを持ってきた
「はい、どうぞ」
「ありがと」
受け取りざまに軽いキスをする
「ふぅ…」
隣同士でコーヒーを飲みながら、しばらくぼーっとする
黙っている時間も居心地がいいのは、付き合う前から変わらない