「俺が帰ってくるまで、なにしてたの?」
「んー、ちょっと掃除して、SNS見たりブログ書いたり、んで」
不自然に言葉を切って、俺の方を向くと、少し下から覗き込んでくる
「うん?」
「蓮のこと、待ちくたびれてた」
「…………おいで」
両手を広げれば、素直に膝に跨る
腰に手を回して抱き寄せ、頭を撫で、そのまま頬に手を下ろすと嬉しそうに頬擦りをする
「かわいいんだから…」
「うふ、知ってる」
実は恥ずかしさが全く無いわけではないらしく、ほんのりと頬を染めて照れ笑いをする
みんなの前で見せるツンデレな態度も可愛らしいが、甘えモードの翔太くんは、その何倍もの質量を持って、可愛さのポテンシャルを余すことなく発揮してくる
俺といることが心底嬉しいと、全身で、素直に、ご機嫌に、表現する
こんなにも可愛らしい人を俺は他に知らない
「れーん?もっとぎゅってして?」
「ん、ぎゅーね」
腰に回していた手を背中まで上げて、引き寄せて密着する
翔太くんは俺の首筋に顔を埋めて、思い切り息を吸う
「ん、蓮の匂いがする」
「すき?」
「ふふふ、だいすき」
「俺も翔太くんの匂い、好きだよ」
「へんたいだ笑」
「なーんでよ笑」
「うっふっ笑」
体を離してまた頬に触れる
撫でながら翔太くんを見つめて、その可愛さを満喫していると
ジッと何かを訴えるように大きな黒目が見つめ返してくる
膝に乗っている分、翔太くんの方が目線が上なのに、なんで上目遣いができるんだろう
翔太くんのあざとさを考察していると、当の本人は少し唇を尖らせて不服そうな声を出す
「…ねぇ?ちゅーは?しなくていいの?」
少しの照れを滲ませながらも、当たり前にして貰えるはずなのに、と言わんばかりの言い草にまた心がくすぐられる
「したいの?」
「もぅ、いじわる言う」
「翔太くんからしてよ」
「なんだ、して欲しかったのか」
「ふはっ!笑…うん、そう笑、してほしかったの笑」
「しょうがないやつだな」
さっきよりも耳が赤い
冗談めかした照れ隠しだ
完全に照れを捨てきれないところも可愛い
それでも翔太くんは両手で俺の頬を優しく挟んで、そっとキスをする
ゆっくりと、
触れるだけのキスを、
角度を変えながら、何度もする
「れん」
「ん?」
「すき」
「うん」
「だいすき」
「おれもだよ」
「うれしい」
「すき」
「うん」
名残惜しむようにそぅっと唇が離れ、またぎゅっと抱きつかれる
「ふふふふ」
「満足しましたか?お姫様?」
「うん。蓮のご飯食べたくなってきた」
「ご飯にしようか」
「ん、手伝う」
コメント
1件
やっばい!好き