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人外パロです。(貴方が)
「○○、海が見えてきたで。」
ゾムが運転席に座り、海まで走る。
もう着いたの?寝ちゃってた。
「○○の故郷ほど、綺麗やないけど、許してな。」
ゾムは車を駐車場に置く。助手席から見える海は綺麗だった。久しぶりの海だ。そうだ、故郷も綺麗だった。
でも、ゾムと見る海が一番好き。
「晴れてきたし、ちょうどええよな。」
晴れでも、曇りでも、雨でも、雪でも、雷でも、嵐でも、なんでもいいよ。
「よっと…。○○の肌、いつ見ても綺麗やな。」
助手席を開けては、ゾムが私を姫抱きする。肌を凝視をしてはそういう。
ありがとう。でも、それだけ?
「…肌だけでやないで。声も、性格も、○○のすべてを愛してる。」
ゾムの横顔は悲しそうだった。頬を撫でてやれない私の腕も、憎くてたまらない。
うん、知ってる。
「ちょっと冷たいな。○○ほどでもないけど。」
海に入る。足から水の感覚と砂の感覚が交じる。ゾムは少しくすぐったそうにしている。
「ほら、波の音。…懐かしい?」
少しだけ。でも、もうどうでもいいよ。
「海、綺麗やな。」
うん。綺麗。
「…あ、足に砂ついてしもたな。まあ、ええやろ。」
海の中に入れば関係ないよ。
「もう、置いてかないからな。」
置いてかないでね。泣いちゃうからさ。
「またな、○○。」
またね、ゾム。愛してたよ。
「ニュースです。近日、一人の男性と一人の人魚が海で発見されました。警察はこれを心中とみて動いています。…」