「私の夢が叶う時」
駅で 赤桐(あかぎり)くんと別れた後、私は電車の中で彼と話をしたことを思い返していた。
晴(はる)さんと想いが通じ合った、と話したこと。
赤桐くんが「よかったな」と言ってくれたこと。
「幸せになって」と微笑んでくれたこと……。
赤桐くんは私を真剣に好いてくれて、プロポーズまでしてくれた人だから、その言葉を簡単に言ったわけじゃないのはわかっている。
それでも……赤桐くんは私に「幸せになって」と言ってくれた。
それに……。
“なー 筒井(つつい)。
明日から朝の登校、別にしようぜ”
さっき駅での別れ際、赤桐くんはなんでもない調子で言った。
赤桐くんにデートの申し込みをもらった後、彼に誘われてからは一緒に登校していた。
それを解消しよう、と言った理由も、彼の気持ちもわかるから……なるべくしんみりしないように頷くことしかできなかった。
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