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はじめまして!はむです!
はむと書いてわむと読みます。
いつまでもはっきりと覚えている記憶ってありますよね。
例えば人の前で恥を晒してしまったことや、自分が気にしていることを他人にズバッと言われたこととか…
人によって違いますが、ふと思い出す物事って苦いものが多いですよね。
わたしにも、思い出して遠くを見つめたくなる記憶が幾つかぽろぽろ出てくるんですけど、今回はその中でも小さい頃(ほとんど赤ちゃん)の記憶?と言うか、思い出なんですが、
未だにこれだけはっきりと覚えてるものって人生に大きく影響したんだなぁって思います。
読みやすいように改変してお伝えします。
2月3日…この日は節分と言う季節の変わり目の為の大事な行事が行われる。
そう、『豆まき』だ。
日本全国、どこでも家中に豆をひたすら投げまくる日。
この日はこぞって大人達が鬼となり、わざわざ豆にあたりに行く。側から見ればただの変態だとは気づきもしない。
最近では、*掃除が面倒だから*、*小さな子供が誤飲すると危ないから、*などと言って包装用の小袋のまま投げる人もいるらしいが、それは果たして本来の意味があるのか、と思わざるを得ない。
前置きが長くなったが、とにかくこの日は豆をまく日なのである。
私が通っていた児童養育施設も例外ではなく、その日はやってきた。
ともだち、というより仲間たちと一緒に、養育士の方から豆をもらって、いっぱいまくぞ!ふふん♪など生ぬるいことを考えていた私。
後から痛い目を見ることになる。
養育士「こわーい鬼がきたよ!いなくなってもらうためにみんなで豆をまこう!」
ん?鬼?どこにもいないじゃないか。
そして本能なのか、野生の勘なのかはわからないが、何か嫌な予感がした私は、ふと窓の外を見た。
いたんだ。あいつが。
妙にリアルな仮装をして施設の外から歩いてやってくる。右手にはダンボール製の金棒をもって。
ファンタジーを信じて夢を見ている子供達はもう阿鼻叫喚。
養育士さん達はここまでになるとは思っても見なかったようであわあわしていた。
お疲れ様です。
私たちがいた部屋は地と接していて、大人であれば、窓も乗り越えて入って来れるほどだった。
ノリノリの養育士さん達がそれを見逃すはずがなく、鬼は窓からやってきた。
「びゃぁぁぁああああああ!!」
「ままぁぁぁあああ!!」
ほんとに地獄絵図。鬼達は若干おろおろしていたが、続行することにしたらしい。
「わるーい子は連れ去っちゃうぞー!」
こんなようなことを言っていたと思う。
その時の私も周りと同じくギャン泣き状態だった。
鬼に早く帰って欲しいのか、みんなが全力で豆を投げる。
なにを思ったのか、私は鬼に近づいていき、袋の中の豆を至近距離で全て投げた。
他の子達も、次第に近づいていき、同じように投げ始めた。
鬼はだいぶ痛そうだった。
これで、本来はやっつけるはずの鬼が、まるでいじめられているかのようになり、形勢が逆転した。
結局散々やられた鬼は足早に去っていった。
なんでこんなことを覚えているのか謎なんですが、今でもたまに思い出して苦めに笑っています。
世の中のお子さんに関わる方たちは尊敬しかありませんね。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。