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ー僕は、「普通」の猫になりたかった。同じ猫にだって、特に人間にはジロジロと見られてしまう。その理由は、僕自身明確だ。

僕の足は一本無いからだ。

もう誰もいらない。誰も信じない。


僕はゆっくりとしか歩けなくて、時々フラつくから、出来るだけ広くて安全そうな道を歩くようにしていた。今日は、景色の綺麗な所に行こう。横断歩道の向こうには、青く透き通る、どこまでも続くような景色があった。つい夢中になって僕は走り出した。でも、バランスを崩して、横断歩道の真ん中で転んでしまった。

車の走る音が聞こえる。

焦って、うまく起き上がれない。僕、このまま死んじゃうの?…駄目。まだやりたいこと、数え切れないほどいっぱいあるだろ。何で起き上がれないんだよ。何でいうこと聞いてくれないんだよ。この足。

車は、もう僕の目の前にいた。

…諦めるな。


「…危ないっ!」そいつの足は、車よりも速く感じて、僕をそっと抱き上げる。僕とそいつはあまりの勢いに、浜辺へ転がり込んだ。

「大丈夫⁉︎…あ、ごめん。でかい声出して。…ん?ねぇ、後ろ足…。まさか…、私のせい⁉︎」違うわ!生まれた時からないんだよ!…だから嫌いなんだよ、人間も。「危なかったな。よかった、無事で。」

僕の心は、ほんの少しだけ色づいた気がした。

「もしよかったらさ、俺の話聞いてくれないかな。」そいつは、周りの人間に聞こえないようにしているのか、とても小さな声で、僕に言った。

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