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907
旅人
99
任務・前線遺跡地帯
吹雪の奥。
古代兵装の自動防衛機構が起動。
無数の機械兵。
隊員
「数が多すぎます!」
カピターノは前に出る。
だが呼吸は荒いまま。
体温も高い。
ドットーレは後方から観察。
ド「……まだ残っているな」
カ「問題ない」
ド「いや、問題“だから”使う」
⸻
戦闘開始前。
ドットーレが耳元で低く言う。
ド「神経過敏、反射速度上昇、痛覚抑制」
ド「つまり今の貴様は――」
ド「常時戦闘覚醒状態だ」
カ「……副作用だろう」
ド「違うな。未完成の強化形態だ」
機械兵が突撃。
⸻
戦闘開始
通常なら避けられない死角攻撃。
だが――
カピターノの身体が先に動いた。
金属刃を紙一重で回避。
カ「……遅い」
反撃。
一撃で装甲ごと両断。
隊員
「速すぎる……!」
ドットーレは笑う。
ド「神経伝達速度が跳ね上がっている」
ド「刺激過敏=反応最速だ」
⸻
接触戦
機械兵が群がる。
通常なら包囲される数。
だがカピターノは――
あえて突っ込んだ。
刃が腕を掠める。
だが止まらない。
カ「痛覚……鈍いな」
ド「正確には興奮で上書きされている」
ド「だから動きが止まらん」
背後からの一撃。
振り向きもせず受け止める。
そのまま蹴りで粉砕。
⸻
だが問題が出始める。
呼吸がさらに荒い。
視界が赤く滲む。
ド「……過負荷域に入ったな」
通信で指示。
ド「そのまま行け、隊長」
カ「……観察か」
ド「もちろんだ」
カピターノは笑う気配。
⸻
周囲の動きが“遅く”見える。
空気の振動。
刃の軌道。
敵の駆動音。
すべてが過剰に知覚される。
カ「……見える」
一歩踏み込む。
三体同時に斬撃。
さらに回転し四体。
隊員
「単独で殲滅してる……!」
⸻
だが――
身体が限界を超える。
膝が一瞬沈む。
ド「そこまでだ、戻れ」
カ「……まだ動ける」
ド「命令だ」
だがその瞬間。
巨大防衛機構が起動。
主砲展開。
隊員
「回避不能!」
カピターノが前に出る。
カ「……最後の一撃だ」
ド「馬鹿が」
⸻
砲撃発射直前。
ドットーレが接近。
背後から肩を掴む。
カ「……触るな、今は――」
だがその接触で。
神経過敏がさらに跳ね上がる。
ド「感覚を一点に集中しろ」
ド「貴様なら制御できる」
カ「……!」
砲撃発射。
その瞬間。
カピターノは砲口へ突進。
超反応で軌道を読み、
刃を叩き込む。
内部爆発。
巨体が崩壊。
⸻
戦闘終了
静寂。
雪だけが降る。
カピターノは膝をつく。
呼吸が限界。
ドットーレが支える。
カ「……利用されたな」
ド「互恵関係と言え」
カ「……副作用だぞ」
ド「だが勝った」
沈黙。
⸻
戦闘後診断
仮設拠点。
ド「戦闘データは最高だ」
ド「神経過敏状態での戦闘能力、通常比172%」
カ「……二度とやらん」
ド「嘘をつけ」
カ「……」
ド「必要なら使う」
カ「……任務のためならな」
ドットーレは笑う。
ド「次は制御下で発動させる」
ド「“任意覚醒薬”だ」
カ「却下だ」
ド「検討はしろ」
⸻
ドットーレが呟く。
ド「暴走ではなく――共闘覚醒」
ド「悪くない」
カピターノは振り向かず言う。
カ「……次は触れるな」
ド「戦闘中でもか?」
一瞬の沈黙。
カ「……必要なら許可する」
ド「クク……進歩だな」
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