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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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「ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」」のメインビジュアル

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

4 - スーツをスマートに着こなした、絵になる彼の正体 ‐4-

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2024年06月09日

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「大したことがないようには見えなかったがな……。それでさっそくなんだが、さっき描いていたものを、見せてもらえないだろうか?」


そう改めて促されて、


「はい、ですが本当にラフに描いただけでして、お見せするほどのものでも……」


拭えない恥ずかしさを感じながら、描いていたスケッチブックを渡した。


「やはりよく描けているな。君は、絵がとても上手いんだね」


ラフスケッチをそんな風に手放しで褒められると、なんだかこそばゆくもなるみたいで、「……そんなことは……」と、うつむいてふるふると首を振った。


「こんなに上手いようなら、仕事も忙しいんだろう?」


「…いえ、全く…」と、情けない思いで、再び力なく首を左右に振る。


「……さっきも、出版社で門前払いを食らったばかりでして……」


「そうなのか? 私には、とても上手いと感じられるがな」


「上手いだけで、味がないらしいです」


編集者から言われたままを打ち明けると、


「味は、あると思うが……」


言いながら、自らの顔が描かれたイラストに、その人はじっと目を落とした。


「それは、きっとモチーフがいいからだと……」


やっぱり絵になるよねと見つめていたこともあり、ついポロッと口を滑らせたところへ、


「……うん? 何か言ったか?」


ふいにその顔が上げられ目が合うと、紳士然とした整った顔立ちに、思わず赤面しそうになってしまった……。

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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